1960年代、米・ニュージャージー。最愛の妻と2人の娘に囲まれて、何不自由ない幸せな生活を送っていたリチャード・ククリンスキーは、家族すら知らない驚くべき秘密を抱えていた。彼の職業は、一流の“殺し屋”だったのだ。86年に逮捕されるまでの約20年間に、彼が手に掛けた命は100人以上と言われている。被害者の死亡日時をごまかすために死体を冷凍保存して遺棄したことから“アイスマン”の異名をとった。彼は、善悪ふたつの顔を どのように使い分けていたのか。家族は、なぜ彼の秘密に気づかなかったのか。ククリンスキーの心の闇を抉った本作は、人間という生き物の大いなる謎を突きつける…。
アリエル・ヴロメン