浅草にある老舗パン屋・ペリカン。創業から74年を迎えたペリカンは、食パンとロールパン、たった2種類のパンのみを売るパン屋。しかしながら、その2種類のパンを求めて、8時の開店には毎日行列ができ、売り切れまでその賑わいは続いている。創業当時は、いろいろなパンを売っていたこの店は、なぜ、パンを2種類に絞り、そしていかにしてパン業界の財産とまで言われる存在となったのか――。ペリカンのパンづくりの現場をのぞいてみると、モノづくりの本質と、“売れるパンを作る”という商売の本質が見えてきた…。
内田俊太郎