とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊のくんちゃんに生まれたばかりの妹がやってきた。両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。そんなとき、くんちゃんはその庭で自分のことを“お兄ちゃん”と呼ぶ、“未来からやってきた妹”、ミライちゃんと出会う。ミライちゃんに導かれ、時を越えた家族の物語へと旅立つくんちゃん。それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まり。待ち受けるみたこともない世界。むかし王子だったと名乗る謎の男や幼い頃の母、そして青年時代の曽祖父との不思議な出会い。そこで初めて知る様々な「家族の愛」の形。果たして、くんちゃんが最後にたどり着いた場所とは? ミライちゃんがやってきた本当の理由とは――?
細田守