13世紀末、シンガル王国の王女、パドマーワティは、西インドの小国、メーワール王国の王、ラタン・シンと恋に落ち、妃となった。同じころ、北インドでは、叔父を暗殺した若き武将、アラーウッディーンが、イスラム教国のスルタン(王)の座を手に入れていた。獰猛で野心に満ちた彼は、第二のアレキサンダー大王との異名を持つほどに、その権勢を広げていく中、絶世の美女、パドマーワティの噂をききつけ、メーワール国に兵を差し向けるが、堅牢な城壁と、誇り高いラージプート族の王であるラタン・シンの抵抗により、パドマーワティの姿を見ることも許されなかった。一計を案じたアラーウッディーンは、ラタン・シンを拉致してパドマーワティを自らの城におびき寄せるが、彼女の勇気ある救出策によりラタン・シンは奪い返され、遂に総力をメーワール王国に向かわせる。城を取り囲むアラーウッディーンの大軍勢と睨みあうメーワール王国の兵士たち。やがて始まる、王と王の誇りと野望を懸けた最後の戦い。そして、圧倒的に不利なその戦に、パドマーワティは、ある決意をもって臨んでいた…
サンジャイ・リーラ・バンサーリー