試合に勝っても褒められず、負けて責められることもない、そんな存在。山王高校サッカー部の3年生マネージャー・菜津は、夏の大会に敗退したタイミングでマネージャーは引退するのが通例のなか、冬の選手権まで残ることを宣言する。しかし、顧問からも部員からも必要とされていないことに気づいてしまう。一方、キャプテンの豪は、チームの要である健吾に夏での引退を切り出され、チームメートからの信頼の薄さも浮き彫りになっていく。刻々と近づく最後の大会を前に、菜津と豪は選択を迫られる。
佐藤快磨