鷺坂冬子、63歳。誰にも作れないと言われた、世界初の青いバラ「ブルー・ヘブン」の生みの親として、園 芸家としてはちょっとだけ有名だけれど、今は孫や家族に囲まれて暮らす普通のおばあちゃん。そんな冬子には、家族に言えない秘密があった。がんが再発して現在余命半年のステージ4と診断されたのだ。「治療に専念して余命を延ばそう。まだまだやり残したことがあるだろう!」主治医の川越の叱咤激励に、冬子はある“やり残したこと”を思い出す。それは、ハンググライダーで空を飛ぶことだった。病気のことは内緒にしたまま、冬子は蒼汰と正樹の2人の孫とその友人で溶接工の夏芽を巻き込み、不可能と言われた夢にチャレンジしていく…。
秦建日子