1945年3月、フランス領インドシナ。現地に進駐していた日本軍がクーデターを起こし、それまで協力関係にあったフランス軍に一斉攻撃を仕掛けた。駐屯地での殺戮をただひとり生き延びた青年兵ロベールは、兄を殺害したベトナム解放軍の将校ヴォ―・ビン・イェンへの復讐を誓い、部隊に復帰する。しかし険しい密林でのゲリラとの戦いは苛烈を極め、憎きヴォ―・ビンの居場所は一向につかめなかった。その悪夢なような日々のなか、マイというベトナム人の娼婦に心惹かれるロベールだったが、復習の怨念に駆られる彼はもはや後戻りできない。やがて軍規に背く危うい行動を繰り返し、理性を失ったロベールは、さらなるジャングルの奥地に身を投じていくのだった…。
ギョーム・ニクルー