17歳で複雑な家庭から逃げだしたあざみは、年の離れた編集者のキタジマさんの恋人になった。キタジマさんに釣り合う女になりたいと背伸びしても、彼は仕事優先で向き合ってくれない。さびしさをこじらせたあざみは、その後、誰とつきあってもキタジマさんのことが頭から離れない。そんな彼女の前に、子どものようにまっすぐに愛をぶつけるノダくんが現れた。同じ頃、軽蔑していた母との再会と死を経験したあざみは、愛すること、生きることを見つめ直すのだった。
越川道夫