2078年、日本の南端に位置する沖縄本島は、ベースと呼ばれる安全で発展した区域と、そのほかの荒れ果てた土地に分断されていた。ベース内は米国人だけではなく富裕層のみが暮らすことのできる整備された空間になっており、人々の日常には常にドローンが飛び交っていた。ベース内で生まれ育ったリサ、アルズ、ユースケは幼馴染。3人はリサを筆頭に夜な夜なベースの外に繰り出し、無法地帯の街でいたずらをしている。悪さが見つかっても、ベースに逃げ帰ることができれば、絶対に罰せられることはなかった。ベース内の生活に飽きていたリサは、ある日、ベースの外の街で拾った紙切れに描かれた人魚に目を奪われる。“幻”の海と人魚を探して、3人は再びベースの外に繰り出す。
福地リコ