小夜は東京でファッションデザイナーの卵として暮らしていた。そんなある日、地元に暮らす姉のあすみから連絡が入る。それは今度結婚するという内容の電話。「おめでとう。何て人?」あすみは言いにくそうに名前を言った。「布施野さん…」小夜は愕然とした。その男は8年前にある事件を起こしていた。いてもたってもいられず、友人のエイゴを連れて故郷へ戻った小夜。妹の突然の帰郷に、あすみは動揺を隠せない。その日から、質素ながらも平穏だったあすみの暮らしは、小夜を中心に回り出す。 劇作家・映像作家のマキタカズオミ主宰の劇団elePHANTMoonが2009 年に上演した同名戯曲が原作。
宮岡太郎