生時、社会からスルーされ続けたゴッホに自らを重ね、社会に反抗する17歳の花田花梨は、妻を失った父と歳の離れた妹と暮らしていた。半ば引きこもりの日々を過ごしていた花梨は、父との言い争いをきっかけに、両親が海外赴任のため一人暮らしをする親友・風子のアパートへ転がり込む。ある日、渋谷へ向かう道中の電車内で病人に席を譲ったときの得も言われぬ感覚が、花梨にあるひらめきをもたらす。リアルにフィクションを混ぜて伝えることで、もっと「肯定される喜び」を伝えられるのではないか。風子の協力を得た花梨は、 “プリテンダーズ”を結成。次々と型破りなドッキリを仕掛け、フィクションをファンタジーへ昇華させ、本気で世界を変えようと突き進むが…。
熊坂出