2020年5月、コロナ禍で初めての緊急事態宣言が発出された東京。COVID19への恐怖は、人々の生活や関係をも変えてしまい、最も密な「濃厚接触」を描く仕事であるアダルトビデオ業界も、すべての撮影が中止となり、スタッフやキャストたちもステイホームを余儀なくされていた。その1人であるAV監督、カンパニー松尾は思い立つ。こんな状況下だからこそ、描ける世界があるはずだ、今こそ長年温めてきた「テレクラキャノンボール」の続編に挑むべきだと。「会議はフルリモート」「ナンパはすべてオンライン」「対面する場合は1.8Mのソーシャルディスタンシングを厳守」など、これまでのキャノンボールとは全く違う新ルールのもとで、5人のプロフェッショナルたちはいかにして、出会った人間たちの心を裸にしてゆくのか…。無尽蔵に広がるインターネットの荒野を舞台に、衝撃のレースが今、始まる。テレクラキャノンボールならではの、爆笑と衝撃の展開。だが、その先に見えるのは、コロナ禍で一気に噴出した、社会の歪みや矛盾、そしてその世界の片隅で、今を生きる人々の姿だった。
カンパニー松尾