「家族みんなで⽀えていたことが、さっちゃんにとって本当に幸せだったのだろうか。⾟い⾟いで⽣きていたのではないだろうか」。2021年3月、浅川幸子さんの⼀周忌で、兄の⼀雄さんは涙を拭った。地下鉄サリン事件で重い障害を負いながらも、懸命に⽣きてきた幸⼦さん。傍らには在宅で介護し、いつも寄り添い続けた⼀雄さん⼀家の存在があった。突然、襲いかかった苦難に被害者家族はどう向き合ったのか。さっちゃんと家族の25年の記録。
西村匡史
神保圭作