メジャーデビュー以降、国内外で熱い支持を受けるダブ・ロックバンド、フィッシュマンズ。彼らは、ボーカリスト・佐藤伸治が亡くなって20年の節目にライブ『闘魂 2019』を開催し、圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了した。 『映画:フィッシュマンズ』の撮影は、この『闘魂 2019』のリハーサルから始まった。和やかな雰囲気で始まったセッションは、やがて熱を帯び、試行錯誤と微調整を積み重ねるストイックな作業に入っていく。メンバーの顔つきが変わる。それぞれの鳴らす音がぶつかり合い、絡み合って、グルーヴが生まれる。 彼らはずっと封印していた楽曲「ゆらめき IN THE AIR」を演奏しようとしていた。『闘魂 2019』にかけるメンバー・関係者のそれぞれの想い、バンドの看板を守り続けてきたリーダー・茂木欣一の覚悟が、いま明らかになる。
手嶋悠貴