行くあてのない旅の途中、風間道場の荒くれ侍たちに襲われている女を助けた素浪人・狼之介。彼の目の前を、罪人護送の三つの唐丸駕籠が通り過ぎた。一つは幕府金鉱檜笠山見廻り役を斬ったという孫兵衛、一つは怪盗黒猫の鬼八、最後は鬼あざみのお蓮が乗っていた。狼之介の目をとらえたのは、不敵な笑みを浮かべる孫兵衛だった。亡き父に瓜二つの孫兵衛に、尋常の使い手ではない何かを感じた狼之介はその後を追うが……。
五社英雄