80年代に社会現象を起こしたパンクバンド「ガンズ」は、人気絶頂の中メンバーのハルが傷害事件を起こして活動休止となる。そんな彼らが、30年後にリーダーのアニマルの情けなくも不純な動機をきっかけに、イチが中心となり再結成へと動き出す。しかし、いざリハーサルを始めると、バンドとしての思考や成長のズレが顕著になっていく。躊躇いながらも、音楽に居場所を求めようと参加を決めたハルだったが、空白期間を埋めようとするメンバーたちの音も不協和音にしかならず、仲間の成長に追い付けない焦りは徐々に自分自身を追い詰めていった。そして、以前のように酒と女に溺れていったハルの視線の先に見えてきたものとは…。
藤沼伸一