香港で不動産関係のCEOとして働くサラは恋人と別れた後、東京で休日を兼ねた不動産開発用の土地を購入する計画を立てていた。東京へ着くと彼女を迎えた不動産業者の担当は、昔別れた恋人のショーンだった。ホテルは手違いで予約されておらず、ショーンから提案されたのは老婦人の絹代が経営する非常に古びた一軒家の民宿だった。外観と部屋のあまりにも古めかしさに不安と恐怖を感じたサラは、その夜、泊まった部屋の中で女を痛めつける男の不気味な光景を目にする。その恐怖の証拠を探すと部屋の床下から白骨遺体が発見される。警察で彼女の事情徴収を担当した生活安全課の小山田は、鑑識医で妹の真由美から、その白骨の正体と付着していた指紋に疑惑を持ち自ら捜査していくと、この民泊の古い家が住民失踪事件に関わっていることを突き止める。そしてサラもまた、幻覚で見えていた光景が現実となって迫ってきていた。そこには彼女とこの民家にまつわる因縁のつながりがあったのだった…。
藤井秀剛