小学4年生の宮田梢は、自分をとりまく世界に上手くなじめずにいた。学校には行くものの、親しくする友達はおらず、教室から抜け出したり、早退する日々が続く。そんな梢には“裏庭の焼却炉にモノを捨てる”という“秘密の習慣”があった。ある日、影絵サークルの大学生が夏休みに小学校で行う影絵劇の公演の告知にやってくる。そのうちのひとり、すずきじんたから梢は目が離せなかった。ある放課後、梢が焼却炉に向かうと、そこにはじんたがいた。梢と同じように焼却炉に何かを捨てる様子に、ますますじんたが気になるようになっていく。原作は、江國香織の短編集「すいかの匂い」(新潮文庫)収録の一編。
内田俊太郎