1977年。台湾は高度経済成長の真っただ中にあった。フォークソング運動が盛り上がり、党外勢力が台頭し始める一方で、戒厳令下の社会にはさまざまな緊張とエネルギーが渦巻いていた。そんな時代のうねりの中、保守的な客家の町・中壢(ジョンリー)にある町初の写真館「華壢(ホワリー)写真館」は、静かに時代の変化を見つめ続けていた。 写真館の主人の娘、范賢英(ファン・シエンイン)は読字障害を抱えており、文字を読むことができない。小学校卒業後は進学せず、父の写真館を手伝いながら、密かに写真撮影を学んでいた。保守的な客家の家庭に育った彼女は、写真家になる夢を父に打ち明けられずにいる。幼なじみの李弘國(リー・ホングオ)は社会問題への関心が高く、フォークソングの創作にも参加する情熱的な大学生。明るく快活に見えるが、実は長年賢英に想いを寄せている。 ある日、韓国人テコンドー指導者・金浩熙(ジン・ハオシー)が青年団の招きで中壢を訪れる。過去に秘密を抱えた彼の存在は賢英の好奇心をかき立てる。互いを知るにつれ、三人の関係には微妙な変化が生まれていく。
フィル・タン
フランク・チェン