聡子(美元)は、サラリーマンの夫・秀之(大森南朋)と、6歳になる息子・将人と何不自由ない暮らしを送る主婦。ある日、将人を迎えに行くと、そこで将人とキャッチボールをしている新聞配達員の稔(高良健吾)と出会う。稔は一見、まじめな勤労青年に見えるが、12歳の時に、母親に暴力をふるう父親を刺し殺してしまっていた。母親を守るためにと思った稔だったが、母親はそんな稔を捨てて姿を消してしまった。稔は母親の姿を聡子に重ね、聡子の後を付けるようになる。聡子の後を追ううちに、稔は聡子がヤクザの俵(田口トモロヲ)に脅されていることを知ってしまう。そして、夫の秀之は妻が日々変わっていくことに気づき、あらぬ妄想を抱くようになる。馳星周の短編を『ヴァイブレータ』の廣木隆一が映像化。
廣木隆一