元ダンサーのピエール(ロマン・デュリス)は、心臓病で余命わずかだと宣告される。そして、死に行く日々を静かに過ごすことにする。アパートのベランダから見る風景はいつもと変わらず、人々は懸命に生きている。死を意識し始めたピエールには、街中で営まれている人々の生活が、突如として意味を持ち始める。みんな、様々な哀しみや喜びがあり、それぞれが抱える問題が些細だとしても、本人にとっては世界で一番重要な事柄なのだということに気づいていく。そして、姉にアパートの玄関で別れを告げ、最期の場所となるかもしれない病院へと向かうタクシーの中で、ピエールはパリの街と人々がとても愛しいものに感じていた…。『スパニッシュ・アパートメント』、『パリの確率』のセドリック・クラピッシュ監督最新作。本国フランスで170万人動員の大ヒットを記録した。
セドリック・クラピッシュ