2004年春、約1300年前の職人たちが作り上げた国宝「玉虫厨子」を現代に蘇らせようとする、壮大なプロジェクトが立ち上がった。仕掛け人で、いまは亡き実業家・中田金太の元に全国から集まった職人たち。復元チームの苦悩と興奮、熱意と葛藤の日々を追う――。
乾弘明
厨子とは仏堂の形をした、仏像を安置する箱のこと。現在、法隆寺にあり、飛鳥時代の建築、工芸、絵画の粋を集めて作られた最高傑作が“玉虫厨子(たまむしのずし)”である。この玉虫厨子を、平成の匠たちの手で現代に蘇らせるという壮大なプロジェクトを追ったドキュメンタリー映画『蘇る玉虫厨子』が先日より公開されている。これを記念して、12月13日(土)より国立科学博物館にて、平成版の玉虫厨子を展示する「蘇る技と美 玉虫厨子」展がスタート。オープニング・セレモニーが行われた。