地球温暖化は他人事? 『不都合な真実』レビュー
ゴミの分別や冷暖房の温度調整など、身近なところから地球環境を意識して生活する人も多いはず。環境破壊に伴う地球温暖化への対策が叫ばれて久しい昨今、こんなにド真ん中に直球勝負を挑んだ映画はないのではないだろうか。元アメリカ副大統領、アル・ゴア氏。60年代後半から環境問題を強く意識し始めたという彼は、在任中、地球規模の異常現象に危機感を抱き、退任後は世界各地で独自の分析を交えた環境対策の講演を行っている。時にユーモラスに、そして時に情熱的に。そんな彼の人柄がつぶさに分かるドキュメンタリー作品だ。
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ゴア氏が環境問題に取り組もうと突き進んだ大きな理由のひとつは、最愛の息子が交通事故に遭い瀕死の重傷を負ったとき、これから子どもたちが生きていく地球を守らなければならないと強く思ったからだという。しかし議会ではまったく取り合ってもらえず、ジャマ者扱い。“金ののべ棒と地球をはかりにかける政治”に嫌気がさしたと言うが、ゴア氏の真摯な姿勢を見ると、そうした現実に落胆した経験が大きな原動力になったと感じさせられる。「環境に対して無知なのが問題なのではなく、勝手な思い込みが問題だ」「すぐれた研究者の意見には大いに耳を傾けるべき」目の前に迫っている非常事態を再認識させつつ、正確な情報を見極める力を養う必要性を訴えた『不都合な真実』。あなたはこれを他人事ととらえるか、それとも…。
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