【MOVIEブログ】7日/ベルリン

7日、木曜日。ベルリン初日は7時45分に起きてしまい、寝坊だ! そろそろ時差ボケも治ったのか(当たり前だ)自然に6時台に起きることもなくなってきてしまった。あたふたと支度して、朝ごはん食べて、外へ。天気は晴れで、2~3度かな。寒さはあまり感じない。

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I used to be darker
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7日、木曜日。ベルリン初日は7時45分に起きてしまい、寝坊だ! そろそろ時差ボケも治ったのか(当たり前だ)自然に6時台に起きることもなくなってきてしまった。あたふたと支度して、朝ごはん食べて、外へ。天気は晴れで、2~3度かな。寒さはあまり感じない。

ベルリン映画祭に併設されている映画マーケット(EFM:ヨーロピアン・フィルム・マーケット)の会場に行き、まずは本日と明日の一般上映のチケットを確保して(ベルリンは当日と翌日のチケットが取れるシステム)、まだ多くが支度中の、各国映画会社ブースをひと廻り。顔見知りの日本の配給会社の方々にもすれ違ったりして、おお、始まったな、という感じ。ロッテルダムから今まで約2週間、結構孤独だったので、立ち話でも日本の業界の方とおしゃべりできるのが新鮮で嬉しい。

11時から、有力なワールド・セールスであるStudio Canal社のプロモリール上映(これからできる作品の予告編集みたいなもの)へ。ワールド・セールスというのは、映画の国際版権を扱うエージェント会社、といえばいいかな。映画の配給権を買ったり、映画祭での上映を交渉したりする場合、ある程度の規模の作品になると、ほぼ確実にこの「ワールド・セールス」と呼ばれる会社との交渉になります。

監督やプロデューサーと直接交渉するケースもあるにはあるけれど、ほとんどの場合はワールド・セールスを通すことになるわけで、彼らとの関係構築はとても重要。なので、ベルリンやカンヌともなると、ただ映画を観ているわけにもいかず、こうやってプロモリールを見て作品のイメージを予習したり、直接ミーティングして新作情報を収集したりの活動が重要になってくるというわけです。

と書いてみたものの、今日は上映中心。11時半から、マーケット上映で、『Fruitvale』というアメリカ映画へ。先月開催されたサンダンス映画祭のグランプリを受賞した作品で、2008年に実際に起きた、白人警官による黒人青年への暴行事件を映画化したもの。

いつまでも絶望的に終わることのない、白人の黒人に対する偏見と暴力が描かれ、もういままでにどれだけ同様の作品を観ただろうかとは思いつつも、それでも胸が痛まずにはいられない。主人公の黒人青年は、前科こそあるものの、基本的には家族を愛する善人であり、逆にその描写が公平性を欠くのでないかとの指摘もありうるかもしれない。けれども、映画はその罠には陥らない絶妙なバランスを保っており、ただただ、不条理な暴力に悲しみのまなざしを注ぐ。繊細で誠実で、感動的な逸品だ。

続いて、デンマーク映画を1本観て(特筆すべき点なし)、フランスの某ワールド・セールス会社のプロモリール上映に行ってみると、満席で断られてしまった。無念。

15時半から、一般上映に移り、「フォーラム」部門の『I used to be darker』(写真)というアメリカ映画へ。本作もサンダンス映画祭に出品されていましたね。妊娠に気付いた19歳の少女が、現実から逃避して叔母夫婦のもとに転がり込むものの、叔母夫婦は別れたばかりであり、少女も期せずして人生の機微を経験していく、という青春もの。

展開らしい展開は無いのだけれど、フックは音楽で、ミュージシャンである叔母と叔父による演奏シーンが挿入されていく演出が絶妙に上手い。大人世代によるフォーキーな音楽に、ティーン世代のユーウツを重ねていくアイディアが秀逸で、それに合わせるような、風通しの良い、ラフで繊細なアメリカン・インディー・テイストな画面のルックがナイス。

17時から、アメリカ系のワールド・セールス会社とミーティング。

少し時間が空いたので、アーケードの中にある屋台風ファーストフード店に行き、ベルリン待望、ソーセージとじゃがいもと酢キャベツを頂く! ロッテルダムもヨーテボリも、食の誘惑が無いので朝食だけで過ごしてしまうけれど、ベルリンにはソーセージとじゃがいもがある! もう、僕はソーセージとじゃがいもがあれば、毎日でもいいです。ホントに。

完璧に元気が出て上映へ戻り、19時から「フォーラム」部門で『The Daughter』というギリシャ映画へ。財政危機に揺れる現代ギリシャを背景に、だまされて負債を追った父の復讐を果たそうとする娘が、だました男の息子を拉致してしまう物語。だました上司が欧州で、だまされて貧乏くじを引いている父親がギリシャなのだ、という意味なのかな、とうがった見方もしたくなってしまうという意味で、ちょっと興味深い作品ですね。

続けて21時から「パノラマ」部門のオープニング作品となるグルジア映画を観たものの、こちらは頭だけで作ってしまった作品で、つらい。

本日はこれにて終了。ちなみに、今年のベルリン映画祭のオープニング作品はウォン・カーウァイ監督の待望の新作『The Grandmaster』(ウォン・カーウァイは今回の審査員長でもある)。僕は残念ながら観ることができなかったけれど、果たしてどのような反応だっただろう? もう何年も完成が延び延びになっていた作品なだけに、とても気になるところです。

夜、小雪が舞ったけれど、すぐに止んだみたい。さすがに冷える帰路を急ぎ、ホテルに戻って、ブログ書いて、現在0時15分。今日もそろそろダウンです。
《text:Yoshihiko Yatabe》

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