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【MOVIEブログ】2014カンヌ映画祭 Day2

15日、木曜日。5時にパッチリ目が覚めてしまったので、昨日のブログを書いて、シャワー浴びて7時半に朝食のパンを食べて、7時45分に会場へ。

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Mr. Turner
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15日、木曜日。5時にパッチリ目が覚めてしまったので、昨日のブログを書いて、シャワー浴びて7時半に朝食のパンを食べて、7時45分に会場へ。

毎朝8時半からのコンペの公式上映は、チケットを事前に入手出来ていなくても、空席次第ではマーケットパスで入れる時がある。そこで満席で入れないと、急きょ横の会場で9時から追加上映もしてくれる。とても親切なシステムなのだけれど、問題はその9時からの上映があるのかどうか、事前に分からないこと。

去年はその9時の上映が毎日あったので、映画祭の途中からは9時の追加上映を狙って行ったのだけど、カンヌは毎年少しずつシステムが変わるので、油断できない。なので、今日は初日だから念のため8時半の公式上映に並んでみたら、ギリギリで入場出来た。んー、今日入れたのはいいけど、さて明日からはどうしよう。

さて、見たのはマイク・リー監督新作で『Mr. Turner』(写真)。画家のターナーの晩年の日々を描くもので、ターナーを演じるのは、ティモシー・スポール。僕も大好きな俳優で、マイク・リーとのコンビだと『秘密と嘘』や、そしてなんといっても『Topsy-Turvy』が最高だったけど、カンヌ初日にして、ティモシー・スポールは主演男優賞筆頭候補に早速躍り出たと言っても過言で無いほど、この『Mr. Turner』でのターナー役は素晴らしい。

ターナーの作品のタッチを生かした色づかいの画面が絶妙に美しい。大して物語に起伏があるわけではないのだけれど、海や、蒸気機関車や、その他の身の回りにある全てのものから芸術的刺激を受け、絵に対する情熱を死ぬまで失わなかった様が繊細に描かれて、眼福であり、胸に響く。

映画でのターナーは既に名声を博しており、最愛の父との仲や、かえりみることのなかった妻子、そして彼の晩年を支えた複数の女性などとの関係が綴られる一方で、当時の画壇の様子が見事に再現される。派手さはないけれど、ターナーの複雑な性格と芸術に対する高邁な精神の双方がティモシー・スポールによって表現され、そして実際のターナーの絵画に負けてはならじと映画美術が奮闘しており、堂々の完成度だ。集中が全く途切れることのない、大満足の2時間半。さすが、マイク・リー。

11時半から、1件ミーティング。12時にマーケット試写で、『The Better Angels』というアメリカ映画で、サンダンスとベルリンで上映されていた作品へ。リンカーンの少年時代の回想を、モノクロで特徴のあるカメラワークで演出したもの。極めて静かでアーティーで詩的な作品で、まるでテレンス・マリックだなあと思って見ていたら、テレンス・マリックがプロデューサーだった。なるほど。でも、監督がテレンス・マリックの弟子筋なのかは分からない。

30分時間が空きそうだったので、毎年お世話になっている中華のビュッフェランチの店にダッシュして、チャーハンその他を10分で飲みこみ、経営が変わったのか値上がりしていることに首をかしげながら、14時の上映へ。昨日ミーティングをした会社から薦められたウルグアイの作品だったけれど、いささかキレが甘く、登場人物も類型的で、少し退屈。

続けてマーケット会場に戻り、ブースを回ってから、いったん宿に戻って荷物を置いて、19時半から「ある視点」部門のオープニング作品で『Party Girl』というフランス映画へ。中年、というか老年のキャバレーの女性ダンサーをヒロインにした人間ドラマで、まあまずまずといったところ。

また宿に戻り、今度はスーツに蝶ネクタイをして、22時半からのコンペ上映で(夜のメイン会場でのコンペ上映ではタキシード着用がドレスコード)『Timbuktu』というフランスとモーリタニアの作品へ。どうにも辛い設定を辛く描くだけの内容で、映画的なチャレンジが感じられず、時差ボケが襲ってきたらしい僕の頭には刺激が足らない…。

上映終わって0時。帰って、いやあ、眠い。夕方買ってあったサラダをポリポリ食べて、ブログを書いて、今日は早々にダウン!
《矢田部吉彦》

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