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【MOVIEブログ】2017東京国際映画祭 Day8

11月1日、水曜日。9時起床。快晴で素晴らしい朝。外に出ると風もないし、8日目にして最もよい天気になったみたい。終盤に向かって元気が出る!

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『グッドランド』
(c)2017 TIFF 『グッドランド』
  • 『グッドランド』
11月1日、水曜日。9時起床。快晴で素晴らしい朝。外に出ると風もないし、8日目にして最もよい天気になったみたい。終盤に向かって元気が出る!

スターバックスに行くと、店が赤くなっている。11月に入るとクリスマス商戦開始らしい。早いよ!

一瞬事務局に寄ってから、タクシーに乗ってゲストの宿泊しているホテルに向かう。そろそろ帰り始めるゲストがいるので、お見送り。せっかく親しくなったばかりなのに、もう別れなければいけないのは辛いけど、これが長い付き合いの始まりになりますように。お見送りしたのは『グレイン』と『さようなら、ニック』の2本のコンペ作品のプロデューサーとして来日してくれたベッティーナ・プロケンパーさん。舞台がぱっと明るくなる素晴らしいお人柄でQ&Aを盛り上げて下さって、心からお礼を申し上げつつ、近い将来の再会を誓い合う!

シネマズに戻り12時から「スプラッシュ」部門『アイスと雨音』のQ&A司会。作品としては2度目の上映だけど僕が司会をするのは初めてで、聞きたいことがたくさんあるのでうずうずする。松居大悟監督、俳優の田中偉登さん、青木柚さん、戸塚丈太郎さん、そしてプロデューサーの阿部広太郎さんが登壇。俳優陣はバリバリの高校生、フレッシュな空気が駆け巡る!

全編ワンカットで撮られた本作、その理由を松居監督にお尋ねする。勢いを持続させるためなど、色々と理由はあるけれど、決めてはプロデューサーの一言だったそうだ。この映画は、準備を進めていた舞台が中止になったところから始まり、何が起きたのかを振り返っていく構成になっている。そこで「中止という事態から始まるのだから、映画は止めないほうがいい」との阿部さんの一言で監督が気持ちを固めたそうな。何ともしびれるセリフではないか!

実際に舞台の中止を経験した松居監督の怒りが映画化の原動力になっていること、4回テイクを重ねたという撮影の裏話、若い俳優陣の現場での様子、実際の松居監督の演出法など、どの話もめちゃくちゃ楽しい。松居監督は現場で「大きい命の塊、生命体なんだ!」と繰り返し語っていたそうで、俳優たちは「いったい何を言っているのだろう」と最初は理解できなかったそうなのだけど、徐々に監督の想いが浸透していったとのこと。会場は爆笑しつつ、作品から松居監督のエネルギーを吸収しているため、深く頷いていた…。

最高に楽しいQ&Aが終わり、スクリーンを移動してコンペ中国映画『迫り来る嵐』の2度目のQ&A司会。開始前に監督と会うと、まったく同じ柄のシャツを着ていて大笑い。ドン・ユエ監督と、ホアン・イーホン氏とともに再び登壇。

ユエ監督は前回のQ&Aの質問者が全員中国人であったことを受け、是非日本の観客の意見も聞きたいと楽屋で言っていたので、そのように語ってもらった。その結果3名の日本の方から質問を受けることができて、いずれも映画の意図を汲んだ質問だったので監督も嬉しそうだった。

でも、今回も時間がなくなってしまい(それでも結構オーバーしたけど)、Q&Aの終わりを告げると、前列近くの中国人と思しき観客たちがとっても落胆した顔をしたので、僕も悲しくなってしまった。ああ、本当にごめんなさい。熱心なファンをがっかりさせてしまうのは、本当に辛い。せめていい写真が撮れていますように…。去年のロシアン・フィーバーに続く今年のチャイナ・フィーバー、やっぱりおらが国の盛り上がりが見られるのは映画祭の醍醐味。来年はどこの国になるだろう。

それにしてもQ&Aって難しいなあとしみじみと思いながら、事務局へ。これから驚くべきことに2時間も空いている! なんだか長期休暇を取ったような気分だ。ボケっとしながらブログを少し叩いたり、クロージングの準備を少し始めたり(始めたくないけど)。

すると、「Japan Now」部門で上映される『怒り』の李相日監督と、宮崎あおいさんが事務局を表敬訪問してくれた! スタッフたちは大喜び。もちろん僕も大喜び。宮崎あおいさんがスタッフの労をねぎらってくれて、みんな雲の上にいるような表情を浮かべている。これでまだまだがんばれる!

多くの作品関係者がスタッフ事務局やボランティア/インターン控室を訪れてくれて、みんなの励みになっている。映画祭の事務局を見せてもらうのは初めてだと驚いて喜ぶ海外の映画人も多く、そんな人たちから労いの言葉をかけられると、ギリギリのところで踏ん張っている同僚たちはすぐに涙ぐんでしまう。かくいう僕も。

涙ついでに書けば、ある作品関係者から素晴らしいプレゼントが届き、箱を開けてみると、その中身はあまりにも衝撃的なものだった。しばし言葉を失い、涙が出てしまった。これはすごすぎる。詳細を書いていいか、本人に確認してからブログで報告しよう。こんな素晴らしいものを来日ゲストから頂いたことはない。

以上、空き時間にここまでブログを書き、劇場へ。

(12時間後)

午後に余裕があったツケが回ったのか、夜に急きょ作業が発生し、改めてブログに向かうのが3時を回ってしまった! なので、今日の残りは箇条書きにて失礼します!

・16時から、コンペ部門『ナポリ、輝きの陰で』の2度目のQ&A司会。ルカとシルヴィアの共同監督から製作背景を語ってもらい、アットホームな雰囲気のQ&A。

・17時から、スプラッシュ部門『Of Love and Law』の2度目のQ&A司会。戸田ひかる監督、そして出演者とスタッフのみなさんをお迎えし、戸田監督の作品に向き合う姿勢などについて語ってもらう。

・18時45分にミーティング。時間がかかってしまい、事務局からシネマズに向かって今回の映画祭を通じて最高速度のダッシュ。

・19時30分からコンペ部門『勝手にふるえてろ』の2度目のQ&A司会。開始ぴったりに劇場に到着し、息を整えるヒマもなく登壇し、何気ないふりを装ってみる…。大九監督のコメントが簡潔にして適格で、たくさん質問を受けられて充実の30分強。

・2時間ほどパソコンに向かって書類作成。

・22時半からEXシアターに行き、コンペ部門『グッドランド』の2度目のQ&A司会。ゴヴィンダ監督は真面目な方で、正確なコメントがスピーディーに発せられる。ここも、あっという間の30分。

ということで、後半のQ&Aについて触れたいことは多々あるのだけど、明日も詰まっているので、4時前には引き上げないと危険かも。涙を飲んで割愛します。すみません。ということで、ラストスパートかけます!
《矢田部吉彦》

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