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ヒース、ジャレッド、ニコルソン… “歴代ジョーカー”俳優に迫る

緑色の髪に白塗りの顔、ニヤリとした笑顔のような真っ赤な口元、甲高い笑い声で人を小馬鹿にするように悪事を働くジョーカー。

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ホアキン・フェニックス&ヒース・レジャー&ジャック・ニコルソン (C) APOLLO
ホアキン・フェニックス&ヒース・レジャー&ジャック・ニコルソン (C) APOLLO
  • ホアキン・フェニックス&ヒース・レジャー&ジャック・ニコルソン (C) APOLLO
  • 『ジョーカー』(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
  • 『ジョーカー』(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
  • 『ジョーカー』ヴェネチア国際映画祭 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & (C) DC Comics”
  • 『ジョーカー』 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & (C) DC Comics”
  • 『ジョーカー』(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
  • 『JOKER』(原題) (C) APOLLO
  • ジャック・ニコルソン『バットマン』(C)APOLLO
緑色の髪に白塗りの顔、ニヤリとした笑顔のような真っ赤な口元、甲高い笑い声で人を小馬鹿にするように悪事を働くジョーカー。

バットマンの宿敵であり、映画史上最も有名なヴィランのひとりとして圧倒的人気を誇る“悪のカリスマ”は、これまでに演じてきた俳優もジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレッド・レトら名優ばかり。そして今年、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーが、新たな“伝説”として映画史に名を刻むことになる。

どこかコミカル!ジャック・ニコルソン
@『バットマン』(1989)


ジャック・ニコルソンが演じたのは、もともとはゴッサム・シティを牛耳るマフィアの幹部ジャック・ネイピアという男。化学工場でバットマンと争った末、煮えたぎる薬品タンクに落下、全身の肌が漂白され、顔面には笑顔が張りついて“ジョーカー”となった。

ジャック・ニコルソン『バットマン』(C)APOLLO
映画はティム・バートン監督ということもあって随所に遊び心も見られ、プリンスが手がけた曲に合わせて軽快にダンスを踊ったり、美術館の絵画を台無しにしたり、何をしでかすか分からない、どこかコミカルで芝居がかったジョーカーの姿が印象的。

ジャック・ニコルソン『バットマン』(C)APOLLO
紫色のケバいスーツにオレンジ色のド派手なシャツなど、原作コミックから抜け出てきたようなビジュアルで、まさしく道化、ピエロという言葉がぴったり。ゴッサム・シティを滅ぼすことを楽しむとともに、バットマンことブルース・ウェインとの“宿命”の対決を目にすることができる。

ちなみに今作のバットマンを演じたのは、バートン監督と『ビートルジュース』('88)でも組んだマイケル・キートン。後年、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』('14)で“かつてスーパーヒーロー映画で一世を風靡した俳優”を演じてアカデミー賞にノミネートされた。

『バットマン』(C)APOLLO
さらにハーヴェイ・デント検事を演じているのは、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でスクリーンに帰ってくるビリー・ディー・ウィリアムズ。2017年の『LEGO(R) バットマン ザ・ムービー』ではトゥーフェイスの声を担当している。

アカデミー賞を3度受賞、ジャック・ニコルソン


製作陣がジョーカー役は彼しかいない、と当初から考えていたという言わずと知れた名優。1937年4月22日、ニュージャージー州生まれ。1969年の『イージー・ライダー』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、『カッコーの巣の上で』(’75)、『恋愛小説家』('97)で同主演男優賞、『愛と追憶の日々』('83)では同助演男優賞に輝いている。

ジャック・ニコルソン-(C)Getty Images
『恋愛小説家』の偏屈者から『ディパーテッド』のマフィアのボスまで多彩に演じ分ける大物俳優がアメコミ原作のヒーロー映画に、しかも悪役で出演したのは異例のこと。次に紹介するノーラン版「ダークナイト」3部作のモーガン・フリーマンとは『最高の人生の見つけ方』('07)にて共演、また、“新ジョーカー”ホアキンとは物議を醸した問題作『容疑者、ホアキン・フェニックス』('10)にて本人役で共演している。

アカデミー賞ノミネートのドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』のハリウッドリメイク版に乗り気だったが、残念ながら降板したことが伝えられている。

混沌の体現者!ヒース・レジャー
@『ダークナイト』(2008)


長らく定着していた“犯罪界の道化王子”のイメージを、自身もニコルソン版ジョーカーの大ファンだったというヒース・レジャーがよりスタイリッシュに、現代的に再構築した。パンダのような目元や口紅が滲んだメイクに道化っぽさは残るものの、反社会的で倫理観や共感力はゼロ、混沌を生み出し、バットマンさえ意のままにしようとした冷酷無比なジョーカー像は大絶賛された。

『ダークナイト』-(C)APOLLO
『バットマン ビギンズ』に続いてメガホンをとったクリストファー・ノーラン監督は、もともとブルース・ウェイン/バットマンの候補のひとりだったヒースの“大胆不敵”な部分に惚れ込んでジョーカー役に抜擢。ヒースは6週間もの間ホテルに閉じこもり、ジョーカーになりきるための日記をつけ、『時計じかけのオレンジ』の主人公や数々の原作コミックなどを参考にしながら、あの独特の話し方や身振り手振りを研究していったという。彼の熱演に支えられた『ダークナイト』は、いまもなお強烈なインパクトを放つ名作として語り継がれている。

『ダークナイト(原題)』でジョーカーを演じたヒース・レジャー -(C) AFLLO
また、今作はジョーカーの“始まり”(オリジン)については触れられていないことも特徴的。口元の裂けた傷についても、酔った父親が包丁で切り裂いた、妻のために自らカミソリを口に入れた、などと語る度に二転三転しており、素性はまったくの不明、多くの謎を残している。

今作をはじめ、「ダークナイト」3部作でブルース・ウェイン/バットマンを演じたのはクリスチャン・ベイル。ゴードン本部長にはゲイリー・オールドマン、執事のアルフレッドにはマイケル・ケインなど、錚々たるキャスト陣も人気となった。

撮影終了後に28歳の若さで急逝…ヒース・レジャー


今作の撮影終了後の2008年1月22日、ヒースは世界中の絶賛を耳にすることなく、複数の処方薬摂取による急性薬物中毒にて死去。その後、史上2人目となる死後のアカデミー賞受賞を果たした。1979年4月4日生まれ、オーストラリア・パース出身。『ヒース・レジャーの恋のからさわぎ』(’99/未)『パトリオット』('00)『ROCK YOU![ロック・ユー!]』(’01)などに次々起用され、若手スターとして躍進。

ヒース・レジャー-(C)Getty Images
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたアン・リー監督『ブロークバック・マウンテン』(’05)で共演したミシェル・ウィリアムズとの間にもうけた娘・マチルダの後見人を、相手役のジェイク・ギレンホールがつとめていることでも知られる。また、撮影途中だった遺作『Dr.パルナサスの鏡』はジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが“鏡の中の主人公”をそれぞれに演じて代役をつとめ、出演料全額をマチルダに寄贈したという。


恋に生きた!? ジャレッド・レト
@『スーサイド・スクワッド』(2016)


2人の名優が演じてきたジョーカーとはさらに異なる方向性を目指したのが、デヴィッド・エアー監督『スーサイド・スクワッド』のジャレッド・レトだ。白塗りではあるものの顔も全身もタトゥーだらけ、緑の髪は短髪オールバック、口元には銀歯がギラギラと光るビジュアルのインパクトは絶大。マーゴット・ロビーを大スターにしたハーレイ・クインとの危うすぎるラブロマンスも大きな話題となった、狂気とセクシーさが同居するジョーカーだ。

ジョーカー『スーサイド・スクワッド』 (c) 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.,RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC
ジャレッドもまた相当役をつくり込んだようで、精神科医や重罪犯たちと面会したり、共演者たちにグロテスクな贈り物をしたり…。ときには道で見知らぬ人たちに向かって突然大笑いしてみせ、その反応を観察したこともあったそうで、撮影期間中は現場以外でもジョーカーのキャラに入り込んでいたらしい。

『スーサイド・スクワッド』(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
だが、こうした壮絶な役作りにもかかわらず、映画では出演シーンが大幅にカット。ウィル・スミス演じるデッドショットをはじめとしたスーサイド・スクワッドの一員といった訳でもなく、ハーレイ・クインの“相手役”のような形となってしまい、出演時間は15分も満たない。さらに、楽しみにしている人も多かっただろうジャレッド主演のジョーカー単独主役映画とジョーカー&ハーレイ・クインのラブストーリーを描く映画は製作中止が伝えられている。

今作で宿敵バットマンを演じたのは、ベン・アフレック。なお、マーゴットのハーレイ・クインは、彼女自身が製作する『バーズ・オブ・プレイ』(Birds of Prey:And The Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn/2020年公開)と、ジェームズ・ガン監督・脚本の新たな『スーサイド・スクワッド』(The Suicide Squad/2021年公開)に登場する。

役作りがハンパない!ジャレッド・レト


自身のバンド「サーティー・セカンズ・トゥ・マーズ」で音楽活動も精力的に行っているジャレッド。1971年12月26日生まれ、アメリカ・ルイジアナ州出身。『ファイト・クラブ』『17歳のカルテ』(ともに’99)などに出演し、『レクイエム・フォー・ドリーム』(’00)でドラッグ依存者を熱演して注目される。

ジャレッド・レト-(C) Getty Images
ジョン・レノン殺害犯マーク・デイビッド・チャップマンを演じた『チャプター27』('07)では体重を約30キロ増量させたかと思えば、『ダラス・バイヤーズクラブ』('13)では約18キロも減量してトランスジェンダーのエイズ患者を演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞。Netflixオリジナル映画『アウトサイダー』では浅野忠信、椎名桔平、忽那汐里らと共演した。一転、2020年7月全米公開予定のマーベルコミック原作『Morbius』(原題)では、吸血鬼のような能力を得る主人公マイケル・モービウス博士を演じる。

ほかにも!様々なジョーカーの俳優たち


1966~68年のTVシリーズと長編映画『バットマン/オリジナル・ムービー』で実写版の初代ジョーカーとなったのが、シーザー・ロメロ。コメディ色の強いシリーズだったため、いかにも道化らしい陽気なキャラクターで、バットマンも、ペンギンやキャット・ウーマンもみんな人間くさい。ロメロの甲高い笑い声が印象的。

シーザー・ロメロ-(C)Getty Images
近年、アメリカのお茶の間で最も親しまれているジョーカーといえば、『スター・ウォーズ』シリーズでも知られるマーク・ハミルかもしれない。エミー賞受賞のTVアニメシリーズ「バットマン」(’92~98)や記録的ヒットとなったゲーム「バットマン:アーカム・アサイラム」など多数の作品でジョーカーの声優をつとめてきた。

マーク・ハミル-(C)Getty Images
今年公開されたリブート版『チャイルド・プレイ』のチャッキーも記憶に新しく、米国吹き替え版『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐などの声を担当してきたマークは、クレイジーさを前面に出したジョーカーで毒気たっぷりの高笑いは耳に残る。なお、マークはDCのTVシリーズ「THE FLASH/ザ・フラッシュ」では別のヴィラン、トリックスターに扮している。

また、大ヒットした『LEGO(R) バットマン ザ・ムービー』('17)でジョーカーの声を担当していたのが、新作『ジョーカー』トッド・フィリップス監督の代表作『ハングオーバー! 』シリーズのザック・ガリフィアナキス

ザック・ガリフィアナキス
カリスマ“かまってちゃん”ヒーロー、バットマンのことが実は大好きでたまらないジョーカーはLEGO(R)ワールドなればこそで、とっても愛おしい! 日本語吹き替え版はジョーカーを子安武人、バットマンを山寺宏一が演じている。

『レゴバットマン ザ・ムービー』(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC.
さらに、若き日のジム・ゴードン刑事を主人公にバットマン誕生以前を描いてきたTVシリーズ「GOTHAM/ゴッサム」('14~19)は、この秋、ファイナル・シーズンが日本上陸。精悍な青年となったブルース・ウェインがマントをまとったヒーローに変身する一方、ついにジョーカーらしき人物が降臨…。「シェイムレス 俺たちに恥はない」『ヴァンパイア・アカデミー』などに出演してきた若手注目株キャメロン・モナハンが演じるジェローム・バレスカの変貌ぶりを要チェック。



オスカー俳優から個性派まで、実に様々な俳優たちが演じてきたジョーカー。フィリップス監督による『ジョーカー』では、コミックから離れ、独自の解釈でジョーカー誕生のいきさつが描かれる。

コメディアンを夢見て都会の片隅でピエロとして働く、孤独で心優しい男アーサー・フレックはいかにして“悪のカリスマ”ジョーカーとなったのか。演じるホアキンもまた、3度のアカデミー賞ノミネートを誇る演技派として名高いだけに、期待は高まるばかりだ。

『ジョーカー』 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & (C) DC Comics”
《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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