“おうち時間”のあるいまのうちに!他の映画&ドラマがもっと楽しくなる必見海ドラ6選

“おうち時間”の過ごし方に注目が集まるいまこそ、うわさの大ヒット海外ドラマを。公開延期になってしまった新作映画やほかの作品がより楽しめる作品を独断と偏愛で6本選出。

海外ドラマ コラム
「フリーバッグ」はAmazon Prime Videoで独占配信中
  • 「フリーバッグ」はAmazon Prime Videoで独占配信中
  • 「ゲーム・オブ・スローンズ最終章」 Game of Thrones (c) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved.HBO(R) and related service marks are the property of HomeBox Office, Inc.Distributed by Warner Bros. Entertainment Inc.
  • 「ブレイキング・バッド」/BrBa S1: (C) 2008 Sony Pictures Television Inc.  All Rights Reserved.
  • 「オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック」-(C) Netflix. All Rights Reserved.
  • キリング・イヴ シーズン1(C) Sid Gentle Films
  • 「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3 (C)2019 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.
  • 「ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記」 Game of Thrones (C) 2015 Home Box Office,Inc. All rights reserved. HBO(R) and related service marks are the property of Home Box Office, Inc. Distributed by Warner Home Video Inc.
  • 第71回エミー賞授賞式 (C) Getty Images
その名を耳にしたことはあっても、観たいリストに入ったままの大ヒット海外ドラマ。“おうち時間”の過ごし方に注目が集まるいまこそ、公開延期になってしまった楽しみにしている新作映画や、『スター・ウォーズ』完結編、あの人気のディズニー・アニメーションなどがより楽しめる海外ドラマを独断と偏愛で6本選出。すでに根強いファンがいる基本中の基本の作品ばかりだが、映画好きなら観ていてソンはない、これを機にもう1回見直してほしい作品をピックアップした。


エンタメの一般教養に!?「ゲーム・オブ・スローンズ」


「ゲーム・オブ・スローンズ最終章」 Game of Thrones (c) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved.HBO(R) and related service marks are the property of HomeBox Office, Inc.Distributed by Warner Bros. Entertainment Inc.
米テレビ界の栄誉、エミー賞の歴代最多受賞記録を持つ2010年代最高の海外ドラマのひとつであり、Hulu、Amazon Prime Videoにて配信中。昨年2019年に計8シーズンで幕を閉じたが、第71回エミー賞授賞式では、壇上に勢ぞろいしたノミネートキャスト陣を称えるスタンディングオベーションが巻き起こった。未見の方でも、最終章に“テイクアウトカップが映り込んじゃった件”は覚えている方も多いだろう。

アメリカの作家ジョージ・R・R・マーティンの大ベストセラー小説「氷と炎の歌」シリーズを原作に、良質ドラマを次々と生み出す「HBO」が映像化した本作は、シリーズ当初から映画顔負けの巨額の予算を投じたスケールの壮大さで、世界中で社会現象化となったが、日本での浸透率はそれほどでもないのがファンとしては歯がゆい。

確かに、過激描写が多く、お茶の間のテレビで家族と一緒に!というタイプの作品ではなく、王家やキャラクターが多くて覚えづらいというハードルの高さはある。しかし、たとえ当初は悪役に見えても、人間味にあふれた魅力的な登場人物たちが(一部を除く!)それぞれにたどる壮絶な運命は物語の確固とした牽引力となっており、「#MeToo」以前から描かれてきた女性キャラクターたちの力強さはもちろん、イケオジ率も高く、必ずや“推したい”人物が出てくるはず。

「ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記」 Game of Thrones (C) 2015 Home Box Office,Inc. All rights reserved. HBO(R) and related service marks are the property of Home Box Office, Inc. Distributed by Warner Home Video Inc.
その推しが現実世界よりもつらい局面を生き抜いていく様を、神のような視点で見守るような気持ちがポイントかもしれない。なお、吹替派の方は、“「ゲーム・オブ・スローンズ」収録日は声優がいなくなる”とまことしやかにささやかれるほど(?)、森川智之、花輪英司、清水理沙、本田貴子ら声優陣の豪華さにも着目してほしい。

「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」 Photo: Helen Sloan/HBO(C)2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.
出演者には、エミリア・クラーク、キット・ハリントン、ピーター・ディンクレイジら映画で活躍している俳優も数多く、新しいところでは『1917 命をかけた伝令』の伝令兵ディーン=チャールズ・チャップマンもそのひとり。

そして、今作へのオマージュやパロディは数え切れないほどで、邦画でいえば、山崎賢人主演『キングダム』の合戦シーンをはじめ、本郷奏多が演じた成きょうのキャラクター造形などは今作に登場する王ジョフリー・バラシオンにそっくり。

シャーリーズ・セロン&セス・ローゲンの『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』でも2人の話題に上り、『マレフィセント2』のクライマックスシーンは、最終章のある展開を意識したよね!? と勘ぐらずにはいられなかった。ドウェイン・ジョンソン×ジェイソン・ステイサム『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』に至っては、第七章の“重大なネタバレ”が盛り込まれていたほど。「ワイスピ」シリーズの旗頭ヴィン・ディーゼルも、同シリーズや自身の製作映画に「ゲーム・オブ・スローンズ」キャストを呼びがちだ。

新型コロナウイルスによって世界中が脅かされているいま、今作で描かれる生者と死者の戦いがまさに現実のものとなってしまった点も非常に興味深い。


「ウォーキング・デッド」とのつながりも!?「ブレイキング・バッド」


「ブレイキング・バッド」/BrBa S1: (C) 2008 Sony Pictures Television Inc.  All Rights Reserved.
「ゲーム・オブ・スローンズ」と並んで、2010年代を代表するドラマと位置づけられる今作(Netflix配信中)。温厚で真面目な、高校の化学教師ウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)が50歳の誕生日を迎えたばかりのある日、進行した肺がんが発覚したことをきっかけにドラッグビジネスの闇に巻き込まれていく。

治療はしたいが、公立高校教師の給与は副業が必要なほど微々たるもの。CT1回分の費用は日本と二桁は違う上に、彼の加入している保険では先端医療など到底カバーできない。だからこそ、脳性まひの長男とこれから生まれてくる新しい命に財産を残すため、彼は持てる化学の知識を総動員して高純度の“クリスタルメス”(覚醒剤)を精製し販売する、という考えに行き着いてしまう…。

すべては家族のために始めたこと。なのに、そのドラッグがあまりにも高品質だったことからメキシコの麻薬カルテルに目をつけられ、自分や家族の命が狙われることになっても、承認欲求が満たされ自尊心をくすぐられてしまった中年の危機のウォルターが、転がり落ちるように深みにはまってしまう悲哀には共感必至。メス作りの相棒で元生徒のジャンキー、ジェシー・ピンクマン(アーロン・ポール)が生来持つ“良心”との対比も観る者を引きつけてやまず、また、いまもニュースで伝えられるアメリカの保険システムについても考えさせられるはず。

「ブレイキング・バッド」/BrBa S1: (C) 2008 Sony Pictures Television Inc.  All Rights Reserved.
その結晶の色から“ブルーメス”と呼ばれるドラッグや、ウォルターが名乗る麻薬王“ハイゼンベルク”と抗がん剤治療のために頭を剃ったスキンヘッドにサングラスと黒帽子のルックス、メス精製時に身につける黄色い防護服などは今作を象徴するもので、同じケーブル放送局製作の「ウォーキング・デッド」をはじめ、「ザ・フラッシュ」「ブルックリン99」、下に紹介する「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」、アニメの「シンプソンズ」に『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』など数多くの作品に引用されてきた。

極めつけはアカデミー賞を受賞したディズニーの『ズートピア』! 地下鉄の廃線で、黄色の防護服を来た羊ドグが事件の鍵を握る青い花の薬を精製するシーンはまさに「ブレイキング・バッド」で、遅れて合流する仲間は“ウールター”とジェシー…と、思わぬ形のパロディに今作ファンは歓喜したものだ。

「ブレイキング・バッド」SEASON3 (C)2010 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
最終話直後から始まる、ジェシーのその後を描いた『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』、そして、ウォルターの弁護士ソウル・グッドマン(ボブ・オデンカーク)を主人公にした前日譚で、まだ完結していない「ベター・コール・ソウル」がともにNetflixで配信中。ジェシー役のアーロン・ポールは現在、日米同時放送で話題のHBO「ウエストワールド」最新シーズン3に参加している。


これぞ多様性!「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」


「オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック」-(C) Netflix. All Rights Reserved.
「ブレイキング・バッド」のママバージョンともいえる「Weeds~ママの秘密」や80年代の女子プロレスを題材にした「Glow:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」の製作陣が手がけ、2013年、Netflixの初期に誕生したオリジナルシリーズ。1シーズン全13話が一挙に配信され、ビンジウォッチ(イッキ見)という新しい視聴習慣をもたらした作品のひとつ。日本では2015年、Netflix上陸時に3シーズンまでが配信、2019年で最終シーズン7を迎えた。

大卒の白人女性パイパー・カーマンが女子刑務所での実体験を記したベストセラー「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女性刑務所での日々」という原作があり、ドラマに登場するキャラクターは彼女が刑務所で出会った実在の人物をモデルにしていたり、本物の囚人服が提供されていたりと、リアルすぎる女子刑務所ライフを時にコミカルに、時にスリリングに描く社会派コメディ。オープニングに登場する女性たちの顔も実際の囚人たちだ。

「オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック」-(C) Netflix. All Rights Reserved.
刑務所は“外”とは真逆で、アフリカ系とヒスパニック系が二大勢力となっており(つまり犯罪に関わる率が高い)、白人は少数派、アジア系はさらに少数派で、主人公パイパー(テイラー・シリング)のように裕福で、若気の至りで来ちゃった(?)オレンジの囚人服の新入りは、とりわけ厳しい洗礼を受ける。

「オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック」-(C) Netflix. All Rights Reserved.
舞台が刑務所だけに、罪を犯した女性たちの言動は一見、露骨で卑猥だが、ひとりひとりが誰かの娘や母であり、誰かの愛する人であり、そんな彼女たちの過去を1エピソード~数エピソードを使って綿密に紡ぎ出していく。彼女たちがそれぞれの罪と向き合いながら、なぜ刑務所にいるのか、なぜそんな言動をするのか明らかになると、いつのまにか自分の知り合いのような気持ちになり彼女たちを見守りたくなってしまう。苦手だったはずのキャラクターに感情移入してしまうこともしばしばで、推しキャラや推しカプ(カップル)も生まれる。

「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」シーズン4(C)JoJo/Whilden
過激な笑いの中に映し出される、彼女たちの人生やアメリカ社会の縮図は身につまされるばかり。人種、格差、ジェンダー、体形などあらゆる差別を浮き彫りにしつつ、看守側の問題や刑務所の経営難、麻薬取引、#MeToo、移民問題、精神疾患、出所後の社会復帰など、描かれるテーマは多岐にわたり、最後の最後まで盛りだくさん。それでも、今作で描かれるLGBTQ+やシスターフッド、多様性についての素地があれば、“この後”に興味の沸くドラマの間口はさらに広がっていくはず。最終シーズン、最終話のエンドロールまでしっかりと見届けてみてほしい。

「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」ラヴァーン・コックス、ウゾ・アドゥバ/photo:Yuko Kosugiエミー賞ノミネートのラヴァーン・コックス、同受賞のウゾ・アドゥバ
新生『チャーリーズ・エンジェル』にカメオ出演したトランスジェンダーの女優ラヴァーン・コックス演じるソフィアのエピソードをオスカー女優ジョディ・フォスターが手がけたほか、アレックス役のローラ・プレポン、ニッキー役のナターシャ・リオンがエピソード監督を手がけている点にも注目。


『007』の脚本家が手がける「Fleabag フリーバッグ」&「キリング・イヴ」


「フリーバッグ」はAmazon Prime Videoで独占配信中
現代のロンドン、“不愉快で汚らしいヤツ”という意味のニックネームで呼ばれる30代女性を、辛辣なユーモアと哀感たっぷりに描いた「Fleabag フリーバッグ」(2016・2019、Amazon Prime Video配信中)。そのクリエイターにして主演のフィービー・ウェラー=ブリッジは、今作シーズン2で第91回エミー賞コメディ部門作品賞など6冠を獲得し、今年1月の第77回ゴールデン・グローブ賞でもコメディ部門作品賞と主演女優賞に選ばれるなど、TV界の各賞を席巻。批評家からも、海ドラファンからも大絶賛されている。

第71回エミー賞授賞式 (C) Getty Images
今作は、舞台監督ヴィッキー・ジョーンズと作りあげ、自ら主演した一人芝居舞台のドラマ化。この3月には、原作になった舞台の再演であるナショナル・シアター・ライヴ2020「フリーバッグ」が日本でも劇場公開。このほど、イギリスの医療サービスや仕事を失った劇場スタッフなどを支援するため、米英などのAmazonで舞台「フリーバッグ」を4月10日より有料配信することを発表したばかり。

2016年に自身で手がけ、主演したラブコメディ「クラッシング」もNetflixにて配信中で、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ではドロイド解放を訴える女性型ドロイド「L3-37」のモーションキャプチャーと声を担当したが、今作では自ら生みだした、どうしようもなく痛いヒロインを快演する。

「フリーバッグ」はAmazon Prime Videoで独占配信中
だが、フリーバッグ自身が言うほど、彼女のことをクズとは思えない。少しずつ明らかになっていく彼女が抱える痛み、罪悪感、喪失と悲嘆は、きっと誰しも少なからず覚えがあること。神経質で対照的なキャリアウーマンの姉(シアン・クリフォード)や、無神経でどうしても愛せない継母(オリヴィア・コールマン)、“ホットプリースト”と呼ばれる神父(アンドリュー・スコット)らとの関わりの中で、いわゆる“第4の壁”を破ってドラマを観ている視聴者に「私だけじゃないよね?」と同意を求めてくる、可笑しくて、強くて、か弱いフリーバッグを好きにならずにはいられない。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 』初日は11月20日『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 』
そんなフィービーは、ダニエル・クレイグにとって最後のジェームズ・ボンド役となるシリーズ最新映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に、ダニエル自身に請われて共同脚本として起用された。『007』シリーズの脚本に女性が参加するのは映画1作目『007 ドクター・ノオ』(1962)などのジョアンナ・ハーウッド以来、まだ2人目だという。『ドクター・ノオ』の舞台であるジャマイカは最新作にも登場し、ダニエル版の最終章はボンドの原点回帰となりそうな予感も。監督は「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ」のキャリー・ジョージ・フクナガ。11月20日(金)に延期になった(予断を許さないところだが)今作を期待して待ちたい。


キリング・イヴ シーズン1(C) Sid Gentle Films
また、フィービーはBBCアメリカ製作の「キリング・イヴ/Killing Eve」シーズン1(2018年、U-NEXT配信中)のショーランナーとしても知られる。シーズン2では「ザ・クラウン」「コール・ザ・ミッドワイフ ロンドン助産婦物語」の女優エメラルド・フェンネルにバトンタッチしたが、製作総指揮のひとりとしてクレジットされており、これまたハマる要素が満載。

「キリング・イヴ/Killing Eve」S1 (C)Sid Gentle Films
英国のルーク・ジェニングスによる小説「ヴィラネル」シリーズを原作に、長寿医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」のサンドラ・オーと英国注目女優ジョディ・カマーが共演。ヨーロッパをまたにかける暗殺者ヴィラネル(ジョディ)と彼女を追うMI6のイヴ(サンドラ)が、お互いへの関心と執着を深めるうちに恋愛感情か何なのか、特別な関係性を築いていく過程を緊張感とシュールな笑いを両立させながら描き出す。

実力派のサンドラは第70回エミー賞主演女優賞にアジア系として初めてノミネートされ、第76回ゴールデン・グローブ賞で主演女優賞を受賞。ジョディは昨年の第71回エミー賞主演女優賞を受賞するなど、話題をさらった。

「キリング・イヴ/Killing Eve」S1 (C)Sid Gentle Films
「Fleabag フリーバッグ」ではフィービーが身につけた衣装や小物の検索率が4割近く増加するという“フリーバッグ・エフェクト”を巻き起こしたが、今作では、笑顔のまま人を容赦なく殺めるサイコっぷりがドン引きするほどの魅力を放つヴィラネルの、暗殺者なのにキュートすぎる“ヴィラネルファッション”が注目の的に。

「キリング・イヴ/Killing Eve」S1 (C)Sid Gentle Films
そのヴィラネル役のジュディは、なんと『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』にて物語の鍵を握る“ある人物”としてカメオ出演! 改めてジョディ自身や今作への関心の高さと評価を裏付けている。彼女がブレイク前の2016年に出演したBBCのサスペンスドラマ「サーティーン/13 誘拐事件ファイル」は、桜庭ななみ主演でリメイクされ6月放送予定。さらにジョディはライアン・レイノルズ主演『フリー・ガイ』(近日公開)にも出演している。

なお、「キリング・イヴ」の最新シーズン3開始と同じ現地時間4月12日より、フィービーが盟友のジョーンズと再タッグを組んだ新シリーズ「Run」(原題)が全米放送開始。『マリッジ・ストーリー』のメリット・ウェバーと『スター・ウォーズ』シリーズのドーナル・グリーソンによる元恋人の男女の逃避行となるようで、こちらも日本上陸が待ち遠しい。


『透明人間』とも共通点!?「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」


「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3 (C)2019 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.
セクハラや性暴力を告発し抗議する「#MeToo」運動の高まりと共に、2017年に登場したドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」は現在進行中で、シーズン3までHuluで配信中。主演は、『ゲット・アウト』『アス』などのブラムハウス・プロダクションズと『ソウ』シリーズのリー・ワネルが手がけ、全米初登場1位となった『透明人間』で熱演を見せているエリザベス・モス。同作は新型コロナウイルスの影響により、大ヒット中ながら急きょオンデマンド配信に切り替えられたが、日本でも予告編解禁時には盛り上がりを見せ、今年を代表するホラー映画の1つとして注目を集めている。

『透明人間』(C)2020 Universal Pictures『透明人間』近日公開
「ハンドメイズ・テイル」のドラマ本編を観たことはなくても、鮮血のような赤のロングドレスとケープに顔全体を覆い隠す白い帽子の侍女たちの扮装は、目にしたことがあるかもしれない。トランプ大統領への抗議デモ「ウィメンズマーチ」では“リアル侍女”たちが行進する姿も見られている。そんな今作は、エマ・ワトソンの愛読書で1985年刊行のマーガレット・アトウッドのベストセラー小説が原作。製作総指揮に主演エリザベスも加わり、2017年の第69回エミー賞では動画配信サービス(米Hulu)製作のオリジナルドラマとして史上初の作品賞を受賞するなど、高い評価を受けている。

「The Handmaid’s Tale」(原題)(C)2017 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.
舞台は環境汚染により超少子化となった世界で、アメリカではキリスト教原理主義勢力がクーデターを起こして“ギレアド共和国”を成立、妊娠可能な身体を持つ女性たちが<子どもを産むための道具>として支配階級の男たちに仕える「侍女」にされてしまう。

ある日突然、家族や仕事、財産、そして人権までも奪われ、極限的な監視下にある世界で、オブフレッド=“フレッドのもの”と呼ばれる主人公ジューンら女性たちがサバイブする様を描き、やがてそんな不条理で絶望的な世界から脱出するきっかけを掴んだ彼女が命をかけて行動を起こしていく姿を、エリザベスは回を重ねるごとに凄みを増しながら好演。女性たちの反乱と連帯が結実したシーズン3の終盤の展開には正直、鳥肌が立つほど。

「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3 (C)2019 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.
「ザ・ホワイトハウス」「MAD MEN マッドメン」から、たくましく、したたかに成長した大人の女性を演じるエリザベスの姿には驚かされるはずで、『透明人間』でも“殺意だけが見える”相手にひとり立ち向かっていく主人公が楽しみ。なお、ウェス・アンダーソン監督のオールスター出演作『The French Dispatch』(原題/10月16日全米公開)にも参加している。

クリフハンガーで終えたシーズン3に続く「ハンドメイズ・テイル」シーズン4は、年内に配信されるかは微妙だが、銃を持った警備が巡回し、人通り少なく空虚さが漂う街並みは現在の欧米各国の様子と重なり、主人公のジューン自身、それまでの自分の“無関心”がこんな世界の誕生に加担してしまったと悔いる場面も…。どこか現実を観ているような感覚になる傑作ドラマに、この際、どっぷりとひたってみてほしい。
《text:Reiko Uehara》

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