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【MOVIEブログ】2020東京国際映画祭 Day0&1

東京国際映画祭開幕です!今年も連日、日記ブログを書いて行こうと思います。果たして完走できるのか、気合い入れていきます。どうぞよろしくお付き合い下さいませ!

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『アンダードッグ』
(c)2020 TIFF 『アンダードッグ』
  • 『アンダードッグ』
東京国際映画祭開幕です!今年も連日、日記ブログを書いて行こうと思います。果たして完走できるのか、気合い入れていきます。どうぞよろしくお付き合い下さいませ!

<10月30日(金)>
この1週間は目まぐるしく過ぎてしまい、やるべきことが追い付かない。このブログで続けていた作品紹介についても、予告した「ワールドフォーカス」のアジア映画紹介が書けないまま本番を迎えてしまった…。痛恨!

しかしそれでも何とか今日という日を迎えられたことは、ああ、とても感慨深い。映画祭が開催できるかどうか、全く不透明だった5月から6月あたりの不安な状態から、深い霧の中を進んでいるような準備期間を経て、それでも何とか実現にこぎつけられた!安全対策に取り組み続けている運営チーム、作品の出品交渉と実行実務を遂行し続けている日本映画チームと海外映画チーム、そして映画祭の実現に向けて胃の痛くなる業務を続けた全スタッフに、心からおめでとうを伝えたい。こんな場で身内を誉めるのはけしからんと言われるかもしれないけれど、どうかお許し下さい。

そしてもちろん、前例の無い開催形態の中で出品を承諾してくれた作品関係者の皆様に、深く御礼申し上げるとともに、このような状況で映画祭に足を運んで下さる全ての観客の皆様に深く深く御礼致します。みなさまに映画の神様のご加護がありますように!

さて、これを書いているのは、30日の夜。明日はいよいよオープニング。例年のような華やかな演出はできないということで、検討を重ねてきた結果、ささやかながらレッド・カーペットを敷き、ゲストをお迎えする場を用意しようという方向となり、その細部の詰めを続けてきた1週間。なんとか無事に進行できますように、と祈る。

僕もオープニングの準備の一端を手伝いながら、映画祭会期中の自分の役割を確認する作業を、日々続ける。日本映画については、リアルでゲストをお迎えするので、その舞台挨拶やQ&Aの司会を担当することも多い。外国映画については、海外の監督たちの来日が叶わないので、オンラインの監督とのトークを準備する。

オンラインのトーク、題して「TIFF トークサロン」を、40作品ほど実施するので、なかなかその準備が大変だ(僕がモデレーターで参加するのはおよそ半分くらいで、あとの半分は石坂健治さんが担当)。これらの関わることになる作品をせっせと再見するのだけど、改めて見るとどれも面白くて、新たな発見があるのでたまらない。しかし嬉しい一方で、どうしてこのポイントをいままでもっとプッシュしなかったのだ!と自分を責める。

日本映画はゲストのリアル登壇でリアルトーク、外国映画はオンライントーク、というのが今年の基本線。僕は劇場と、オンライン用の特設スタジオ(会議室を改造したもの)とを往復し続ける予定。初めてのことなので、どうなることやら。うまくいきますように。

あとは、映画祭の広報チームが取材やラジオ番組の出演をたくさんブッキングしてくれたので、先週まではJ-WAVEの番組(村治佳織さんの「CLASSY LIVING」、そして野村友里さん「SARAYA ENJOY! NATURAL STYLE」、感謝です!)に続き、ラジオ日本「SWEET」が呼んで下さったり、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」の宇多丸さんや、TOKYO FM 「THE TRAD」のハマ・オカモトさんとお話しする機会を頂いて、緊張しまくったりで、もう大変。1作品を数秒間という時間で、何本まで紹介できるだろうか。早口になり過ぎて支離滅裂にならないだろうか。生放送で、よからぬ単語を口走ったりしないだろうか、そして何よりも、面白そうだと思ってもらえるだろうか?もっと上手くなりたいなあ。とはいえ、ラジオに出られる機会などそうそうないので、その幸せと興奮を噛みしめる。

さらには、東京国際映画祭の情報配信番組として昨年から始めた「TIFF Studio」を週2回配信していたこともあり、もう本当にあっという間に日々が過ぎてしまった!

本当に、映画祭は何年やっても直前の緊張感に慣れることはないけれども、今年ほど異例な年はないので、特に緊張する気がする。果たして、どのような10日間が待っているのだろう?

午前1時半に職場を切り上げる。早く寝なくては。

<10月31日(土)>
明けて、31日。8時20分起床。起きてすぐに検温。3週間ほど前から映画祭会場に出入りするスタッフ全員が検温を開始し、数値をシートに入力して管理しているのだ。僕はずーっと36.4~36.8度。かれこれ15年以上風邪をひいていないので(派手な骨折で入院はしたけど)、体温を測り続けることが新たな自分を知るようでちょっと楽しい。この平熱はちょっと高めなのかな。平熱が高めだと菌への対抗力が強いのかしら、というのは俗説だろうか…。

さて、外に出ると快晴だ!昨夜は就寝が3時だったので、5時間以上寝られて気分スッキリな上に、快晴ときたら、これはもう最高。映画祭開幕おめでとう!待ってろよ、アンダードッグ!

と心の中で奇声を上げながら、映画祭事務局に入り、1時間ほどパソコン作業。

10時半から、打ち合わせ。オープニング・セレモニー開始前の時間を使って、ゲストのアライバルの模様を中継したり、映画祭の見所などを紹介したりする配信番組に出演するので、最終チェック。

11時15分にオープニング番組の打ち合わせが終了。

するとお弁当が届いていた!オープニングの日の昼は、恒例でおにぎり弁当。おかかとゴマ高菜の大型おにぎり二個、付け合わせの唐揚げ一個、美味しい。5分で頂いて、六本木から日比谷の東京国際フォーラムへ移動。

ああ、雲ひとつない快晴が、心の底から気持ちいい。

フォーラムに到着し、会場の導線を確認する。そろそろゲストの方々が到着し始める頃だろうか。出迎えの同僚たちがスタンバっている。ピリピリしてそうなので、話しかけるのをやめる。

僕は配信用に確保された楽屋に入り、台本を確認して、12時55分開始のオンライン番組にスタンバイする。お相手はレイチェル・チャンさん。毎年、本当にお世話になっています。今年もありがとうございます!

開始までの待ち時間を利用して、ここまでのブログの下書きをスマホに書き込む。お、そろそろ本番。

13時からカーペット・アライバルが開始されて、中継も開始。観客を集めてのカーペットはできないだろう、とは早い段階で判断していたのだけど、少し状況が緩和される中で、全くお祭り感がないのはいかがなものか、何よりも来場してくれるゲストの皆さんに感謝するような、そして来て良かったと思ってもらえるような、そういう場を設けるべきでないかとの議論となっていったのが、9月から10月にかけての時期。

それから映画館が50%から100%に戻る過程をハラハラして見守りながら、映画祭の運営もなるべくその動きに合わせるように調整し、お祭り感と安全感の両立を成立させるようなオペレーションを検討し続けてきた。

そして、案内がギリギリになってしまったにも関わらず、多くのゲストの方にオープニングにお越し頂けて、もう感謝の念でいっぱいだ。本当に始まったのだなあ、と、配信番組でコメントしながら感慨に浸ってしまう。

15時20分に番組を中座し、セレモニーの舞台の舞台袖へ。カーペットのアライバルを終え、次はセレモニーの登壇を控える作品ゲストの皆さんに、可能な限りご挨拶する。ようやくお会いできた監督たちも多く、ああ、ようやく!と興奮する。

作品ゲストのみなさん、セレモニーのステージに順々に登場され、そのまま舞台を降り、お席へ。壇上では、ビデオメッセージが流れ、クリストファー・ノラン監督、アピチャッポン・ウィラーセタクン監督、ティエリー・フレモー氏、そしてロバート・デ・ニーロ氏からメッセージ。んー、こうやって並ぶと、豪華だ。

僕はデ・ニーロさんからメッセージをもらうことに関わったのだけど、ステイホーム中に開催されたオンライン映画祭「We Are One: A Global Film Festival」(東京国際映画祭も参加した)をデニーロさんが主催していたことがご縁となり、この度コメントを頂けることに繋がった。これまた本当に嬉しい。

フェスティバル・アンバサダーの役所広司さんのご挨拶、深田晃司監督特集の紹介、そしてオープニング作品『アンダードッグ』の舞台挨拶へと続き(写真はセレモニーで登壇した『アンダードッグ』チームのみなさんで、森山未來さんはこののち中継映像でご登場)、無事にセレモニー終了!

舞台袖で合流した深田晃司監督に、「カンヌはじめ、招待された映画祭が全部中止かオンラインになってしまったので、やっと映画祭気分が味わえた!という思いです」と言われたのが、嬉しかったなあ。

セレモニー終了が17時半くらいかな。ここで僕は東京国際フォーラムを離れ、六本木の事務局に戻る。

戻って、即お弁当。毎回の弁当が楽しみな日々が始まった!僕にとっての映画祭は弁当を楽しむイベントでもあるのだ!ビッグ味噌チキンカツ弁当。元気が出る。睡眠時間が足りないならば、食べるべし。

パソコンに向かって作業を少し、昼から夕方までの日記ブログを少し書き、登壇復習用に作品鑑賞。

そしていよいよ本年最初の司会登壇が巡ってくる。それも大玉、オープニング作品『アンダードッグ』!前編と後編合わせて5時間近い濃密ドラマ。緊張がこみ上げる。

22時15分くらいに上映終了。シネマズの大きく美しいスクリーン7での登壇は気持ちが高揚する。フィジカルの映画祭が実現できた喜びを噛みしめずにはいられない。しかし安全な状態で10日間を乗り切ることが大命題であり、浮かれている場合では全く無いのだと、気を引き締めてQ&A開始。

武正晴監督と、脚本の足立紳さんが登壇され、このおふたりと同じ舞台にいられることがまず嬉しい。『百円の恋』に次いでボクシング映画をふたりで作ったいきさつとしては、『百円の恋』の佐藤プロデューサーからの提案があったこと、「かませ犬」と呼ばれるボクサー(実力はあるがチャンピオンには届かず、若手に自信を付けさせるために試合が組まれるボクサーのこと)の存在を知り、これは何かドラマが書けるかもしれないと足立さんは考えたとのこと。なるほど。そこから3人のドラマに発展させていった足立さんの発想力と構築力、そして武監督の演出力が合致し、そこに最高の俳優陣が結集し、この傑作が誕生したのだ…。

武監督から森山未來さんの凄さを語ってもらった後、客席からは二ノ宮隆太郎さんの演技を絶賛するコメントが。本当にその通りで、二ノ宮さんの怪演は完全に脚本書かれていることを再現しているとのことで、監督もこの脚本を演じられる二ノ宮さんという存在に衝撃を受けているとのこと。すごい。

武監督も足立さんも、生で観客のリアクションが得られる機会を渇望していたとのことで、リアルの上映開催をとても喜んで下った。あとで武監督に聞いたところによると、場内で作品を鑑賞していた監督は、試合のシーンになると客席の温度が上がったことが実感できたそうな。これこそリアル上映の醍醐味だ!

やはり時間が足りない。しかし23時近く、観客は5時間近い鑑賞体験の後だ。もう少し話が聞きたいというくらいで切り上げるのがよいはず。フォトセッションを行い、本日は終了!

『アンダードッグ』のおかげで、最高に良いスタートが切れた!

事務局に戻って23時半。夜の弁当が余っていたので、今宵2個目には「愛の贅沢幕の内弁当」を選び、シャケと鳥の唐揚げとエビフライの組み合わせをとても美味しく頂く。

それからは、今日の出来事をスタッフ間でとりとめもなく語り合いながらの時間が流れ、ブロクを書いて、2時半に引き上げる。明日から、いよいよ通常運営開始だ。注意しながら頑張ろう。
《矢田部吉彦》

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