【インタビュー】ヴァレリー・ルメルシエ、強い意志と決意で挑んだ大スター誕生の物語『ヴォイス・オブ・ラブ』

現代を代表する世界的歌姫、セリーヌ・ディオン。その類い希な才能と、天真爛漫な人柄、そして運命的な人生から生まれた愛に溢れる映画が『ヴォイス・オブ・ラブ』だ。

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ヴァレリー・ルメルシエ『ヴォイス・オブ・ラブ』
  • ヴァレリー・ルメルシエ『ヴォイス・オブ・ラブ』
  • 『ヴォイス・オブ・ラブ』 (C) photos-jean-marie-leroy
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  • 『ヴォイス・オブ・ラブ』 (C) photos-jean-marie-leroy
  • 『ヴォイス・オブ・ラブ』 (C) Rectangle Productions/Gaumont/TF1 Films Production/De l'huile/Pcf Aline Le Film Inc./Belga

現代を代表する世界的歌姫、セリーヌ・ディオン。その類い希な才能と、天真爛漫な人柄、そして運命的な人生から生まれた愛に溢れる映画が『ヴォイス・オブ・ラブ』だ。

その比類無き存在からインスピレーションを受け、製作費30億円をかけて喜びと幸福に満ちたヒロイン、アリーヌの物語を誕生させたのは、フランスのエンターテインメント界の宝とも言える国民的スター、ヴァレリー・ルメルシエだ。セリーヌに関する資料を読み込み、脚本執筆、監督、主演を務め、“愛の声”が響き渡る魅力的な作品を作り上げた彼女に、作品への思いを聞いた。

役柄を演じ通すことで説得力が生まれる


――セリーヌから生まれたヒロイン、アリーヌを12歳から演じていますが、少女時代から演じ通したかった理由は何だったのでしょう。

実は生後6か月のアリーヌも撮影したんです。でも、プロデューサーにお願いだからこれは使わないでと言われて(笑)。ちょっと生えかけた歯を覗かせるアリーヌ…そんなシーンをいつか皆さんにお見せできる日が来るかもしれませんね。

子供の頃のセリーヌはルックスに劣等感があったそうなんです。歯の矯正もしなければならないし、不器用だし。私自身、それに近い少女時代を過しているので、私はヒロインを弁護する弁護士のような存在だと感じていました。だから、大人へと脱皮する前の時代を誰かに任せるのではなく、私自身で引き受けたいと思ったんです。

――確かに最初はあなたが演じる12歳の少女を観て戸惑いましたが、観ている内に、一人の女優がひとつの役柄を演じ通すことでしか為し得ない連続性や説得力を感じました。特に、後に夫となるギィ=クロードと再会するシーン。少女から一人の女性に開花したことを表現するシーンがとても素敵でした。

もちろん、私を子供に見せることを可能にするには複雑な特殊効果も必要でしたが、ほとんどの撮影でとてもシンプルな手法を取り入れています。私自身はそのままで、机だけを大きくしたり、母と一緒のシーンでは母親役の役者を“雪舟”に乗せて大きく見せたり。職人芸的で素朴な撮影方法も多く取り入れたんですよ。でも強調したいのは、子供時代のアリーヌは、私の顔と誰かの体を合成しているわけではなく、全身が私。それはとても大事なことだと思いました。それに観客だって、別の子役が子供時代を演じて、成長した途端、急に私に変わったら、やはり説得力が欠けると思うでしょう?

――ヒロインの名前を、セリーヌではなくアリーヌにした理由を、世界に一人しかいない大スターへの敬意を表したからと聞いています。

そうなんです、おっしゃるようにセリーヌは唯一無二の存在。だから、セリーヌ・ディオンと描かれたレコードジャケットが私の後ろに飾られていたら、嘘っぽくなると感じました。制作の早い段階で“アリーヌ”という名前に変えたことで、私自身は演出上の自由を勝ち得たんです。気負いなしに架空のエピソードを盛り込めたし、事実以上にロマンティックで映画的な作品にすることが出来ました。

セリーヌは私よりもずっと若いし、私よりも何百万倍も有名。私は彼女の香り、パルファムのようなものを薫らせることはしましたが、セリーヌに取って代わることは試みませんでした。それと同じ理由で声もセリーヌの声を使わず、別の女性歌手にすべてを任せたんです」

――ヴァレリーさんは、実際にセリーヌのファンだそうですね。

実はコンサートに行った後で、30秒ぐらいだったら会えるよと言われたんです。でも、30秒なら私はきっと何も話せないし、消化不良になりそうだと思ったので、会うことは諦めました。彼女のことは多くの本で知っていましたから。ですから、会って挨拶するくらいの時間が、作品の何かを変えたとは思っていません。きっと一緒の写真をいっぱい撮られて、映画のプロモーションに使われて、二人は全然違うじゃないかと思われて終わるということになっていたかも知れませんし(笑)。いつか会えることを願っていますが、せめて15分はお話ししたいですね。


《text:June Makiguchi》

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