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【インタビュー】長谷川博己と考える哲学 直感と理屈のはざまでたどり着いた人生の真理とは――?

こんなスマートで知性あふれる大学教授がキャンパスにいたら、学生たちが群がってさぞや大変だろう。そんなことを考えつつ、取材に臨んだが、話を聞いているうちに、やや失礼な考えが頭をもたげてくる――。こんな理屈っぽい男が身近にいたら、ちょっとめんどくさいかも…。

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長谷川博己『はい、泳げません』/photo:Jumpei Yamada
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作品から得た“哲学”は「もう少し身を委ねて生きていい」


――本作は前半部分で、かなりコミカルなやりとりが展開します。“笑い”に関して、それ以外のシーンと比較して、長谷川さんの中で意識の違いなどはあるんでしょうか? コミカルな芝居の難しさや面白さについて、どのようなことを感じているんでしょうか?

なんて言うんでしょうね…? 笑いにも“狂気的”な部分を感じるんですよね。何かに本当に打ち込んでる姿って笑える部分ってあるじゃないですか?

僕の場合は、笑いのシーンで大事なのは“勢い”みたいなものなのかな? 横山やすしさんが見せるような笑いに共感できるんですよね。スパーン! と勢いよくいくような、ああいう笑いに近いのかなぁ? あまりロジカルに考えて笑いを生むとかって感じではないんですよね。「ここで笑わせよう」と意識するわけでもなく、今回の映画にしても、小鳥遊が一生懸命にやってる、そのギクシャクした感じが笑えるんだろうなと思います。

そういう意味では、やはり勢いというか、あまり考えて“笑い”をやっているという感じではないんですね。「笑いをとろう」とするのって見ている側にも伝わっちゃうんですよね。

舞台をやっていた頃の経験として実感しているのが、お客さんって意外なところで笑うものだということなんです。そこは本当に予想がつかないもので、周りの俳優さんを見ても「ここは間違いないね」「鉄板だね」と思ってたところって、案外、本番ではコケたりするものなんですよね。その経験が根底にあるのかな?

自分も舞台上で演じている最中って、お客さんが笑ってくれることを全く期待しないんですよ。真剣にやればやるほど、それがおかしく見えるというのがいいんだなと思っています。

――いまおっしゃった、笑いと狂気が結びつくという点では『MOZU』で演じられた東という役などは、まさに狂気的な姿が、見ている側を戦慄させつつ、どこか笑いにもつながる部分があったかと思います。

たしかにそうですね。でも、あれはちょっとやり過ぎたかなって気がしていて(笑)。あの役を好きだと言ってくださる方は多いんですけど、自由にやり過ぎちゃったなって。いろんな俳優さんからお叱りの言葉もいただきました(苦笑)。

――最後に改めて、長谷川さん自身がこの作品から得た“哲学”について教えてください。

うーん、何だろう…? 「何で生きるのか?」というのは結局、無理して考え過ぎなくてもいいのかなって。もう少し身を委ねて生きていいのかなってことですね。人生、なかなか思い通りにはならないわけで、もう少し水の流れに身を任せて生きるってことも大事だなと思います。


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《text:Naoki Kurozu/photo:Jumpei Yamada》

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