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【インタビュー】長谷川博己と考える哲学 直感と理屈のはざまでたどり着いた人生の真理とは――?

こんなスマートで知性あふれる大学教授がキャンパスにいたら、学生たちが群がってさぞや大変だろう。そんなことを考えつつ、取材に臨んだが、話を聞いているうちに、やや失礼な考えが頭をもたげてくる――。こんな理屈っぽい男が身近にいたら、ちょっとめんどくさいかも…。

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長谷川博己『はい、泳げません』/photo:Jumpei Yamada
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綾瀬はるかは「“感覚”の人」


――小鳥遊はカナヅチを克服しようと一大決心の末、スクールに通い始めます。長谷川さん自身は、苦手なものや過去のトラウマなどに向き合い、克服しようとするタイプですか?

俳優としていろんな役を演じる上で、いろんな劇的なことがあるじゃないですか? 実際にはできないけど、それに近いこと――そういうものを自分の経験の中から引きずり出すんですよね。そういう意味で、いろんな役をやることで、そういうもの(過去のトラウマや向き合いたくない自分自身)を引っ張り出していくので、その都度、演じることで…“成長”と自分で言うのは恥ずかしいですけど、何かがあるんですよね。

「良い役者」というものを考えた時に、解釈は様々だと思いますが、少なくても「良い役を演じていく」ことは不可欠だと感じます。その意味で「そういう(=苦手なものを克服しなくてはいけない)時が来る」というよりは、映画や芝居、ドラマで演技をする際にそういうものと向き合わざるを得ないというところがあるんでしょうね。

――お話を伺っていると、長谷川さんにとっては「演じる」ということは、自分自身と向き合う、内省的な部分が多いんだろうと感じます。本作で綾瀬はるかさんが演じた静香にとって、歩くよりも泳ぐほうが楽であるように、長谷川さんにとっては「演じる」ことが“標準”であり、いわゆる日常は“生きづらい”ものなのではないかと…。

それはあるかもしれません(笑)。普段、意外と休めないなって気がしましたね。どちらかというと、(作品に入って、役を)やっている時のほうが休めるというか…。何なんでしょうね? わりと長いお休みをもらったこともあったんですけど、意外と休めてないんですよね。なんか、ソワソワしちゃうんです(笑)。

――周りからしたら「もっと肩の力を抜けばいいのに」とか「何も考えずに休めば?」と思うのかもしれませんが、本人にとってはそういうものじゃなく…。

そうなんでしょうね。仕事をすると、明らかにエネルギーをもらったようになるんですよね(笑)。何なんだろうなぁ…? 不思議ですけどね。

――綾瀬さんとは大河ドラマ「八重の桜」で夫婦役を演じて以来の共演でしたが、久々にご一緒されていかがでしたか?

監督も言ってましたけど、彼女はいい意味での“バケモノ”だなと。何でもスーッと入っていける凄さがあるんですよね。

やっぱり“感覚”の人なんでしょうね…。彼女の中でリズムみたいなものがあるんだと思います。テンポというかリズムというか、彼女の中に“音楽”みたいなものが鳴っていて…こういう言い方すると、また余計にわかりづらくなるかもしれないですけど(笑)、スーッと入っていくんですよね。だから、指揮者とかが似合いそうな気がしますね、全体のこともよく見ているので。

――“感覚”の静香コーチと“理屈”の小鳥遊という組み合わせがいい方向に作用しているんでしょうか?

それはあったかと思います。そういった意味では自分の芝居が、役が、相手のお芝居、役と組み合わさり、完成した画の中でどの様に作用するのかは毎回楽しみでもあります。


《text:Naoki Kurozu/photo:Jumpei Yamada》

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