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【インタビュー】2年後の物語は“大人の嘘”の反省から生まれた──「直ちゃんは小学五年生」プロデューサーが明かす

2021年1月期にテレビ東京ドラマ25枠で放送され、深夜ドラマながら大反響を巻き起こした「直ちゃんは小学三年生」が、2年後を舞台に「直ちゃんは小学五年生」として帰ってきた。プロデューサーの青野華生子さんに、キャスティング秘話や制作背景などをたっぷり伺った。

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©「直ちゃんは小学五年生」製作委員会
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2021年1月期にテレビ東京ドラマ25枠で放送され、深夜ドラマながら大反響を巻き起こした「直ちゃんは小学三年生」が、2年後を舞台に「直ちゃんは小学五年生」として帰ってきた。プロデューサーの青野華生子さんに話を伺った。

「このドラマの登場人物は 誰がなんと言おうと小学生です ご理解ください」という、異例の“おことわり”から始まる「直ちゃんは小学三年生」。人気俳優の杉野遥亮をはじめ、大のおとなたちがランドセルを背負って、いたって真面目に小学生を演じたドラマは、ギャラクシー賞テレビ部門奨励賞を受賞。熱烈なファンの声を受け、主要キャストはそのままに続編「直ちゃんは小学五年生」が制作され、2週連続特番ドラマとしてテレビ東京系で放送された。

本作をプロデュースしたのは、映像作品の企画・製作やプロモーションなどを行う「フラッグ」でオリジナルドラマの企画開発に携わる青野さん。直ちゃんたちの物語は「今回で完結のつもり」と、青野さんは話す。

舞台からテレビの世界に、そして「フラッグ」へ


――まず、青野さんがプロデューサーを志したきっかけを教えてください。

子どもの頃からの演劇好きが高じて、大学卒業後は舞台制作の仕事をメインでやっていました。畑は違いますが、プロデューサー業務の基盤はそこで培いました。映像の仕事は、テレビ東京のドラマのプロデューサーにチャンスをいただいたことがきっかけです。今となってはやりたい映像企画がたくさんあるので、あのときお声がけいただいたことに感謝しかありません。

「フラッグ」には、テレビ東京時代ドラマのソーシャルメディア上のプロモーションでお世話になっていました。そのときはPR会社という認識でしたが、トークバラエティ番組「有田と週刊プロレスと」シリーズのプロデューサーがいることや「ドラマもつくっていきたい」という展望を聞いて、入社のご縁をいただきました。ドラマ制作は「フラッグ」では前例がないので、ある程度の自由度と裁量権のなかで働かせてもらっています。挑戦が多く、とてもわくわくして楽しいです。

――プロデューサーという仕事の魅力は、どんなところでしょうか。

自分の企画が実現すること、理想のキャストやスタッフを集めること、ビジョンに沿った作品をつくりあげていくこと、作品を観た方たちが喜んでくださること…など、自分でピースを集めながら、思い描いていた夢を叶えていくような心地よさがあります。

プロデューサーである以上、その上に判断を仰げる人はいないので、何か問題が出てきたときや悩んだときに決断する覚悟や度胸、信念は必要だなと思います。正解はないので、周りの人の意見を集めたり、自問自答を繰り返したり、直感を信じたりしています

杉野遥亮は「嘘をつきたくない人」その正直さが直ちゃんにピッタリ


――当初は、「架空小学生日記(仮)」とのタイトルだったという企画。そもそも、なぜ小学生の生活を杉野さんら大人の役者で描こうと思ったのでしょうか。また、なぜ“小学三年生”なのでしょうか。

子どもは、大人より劣った存在だと思われがちですが、私は子どもから学ぶべき点がたくさんあると考えています。子どもが持つ、“人にとって大切な真理”のようなものが、大人が演じることで見えてくるのでは、と思ったんです

ニュースやドキュメンタリーは「本当ですよ」という顔をしてときどき嘘をつきます。逆にファンタジーは「嘘だよ」と見せておきながら、とても大切なことを教えてくれることがあります。わたしは後者のほうが好きだし、ファンタジーにしかできないことがあるんだと思います。「大人が子どもを演じるなんて(笑)」と最初は皆さん思うかもしれないけれど、だからこそ伝わったものもあるんじゃないかと信じています。

各話に社会性のあるテーマを盛り込んだのも、ただ「懐かしいね」で終わらせるのではなく、観た人によっては生きていく上でのヒントを感じていただけるかもと思ったから。小学三年生は、過去を悩んだり、未来を不安視したりせず、まっすぐ“いま”を一生懸命に生きている純粋でシンプルな年頃です。あの感覚を、観た方に思い出してほしいと思いました。

――“小学三年生・直ちゃん”役に、現在引く手あまたの若手俳優・杉野遥亮さんを起用した理由は? 杉野さん以外にも個性的なキャストが揃っていますが、キャスティングの裏側を教えてください。

前々から杉野さんのツイッターを拝見していて、「嘘をつきたくない人なんだな」と思っていたんです。大人の取り繕う感じとかもなくて。その正直さが直ちゃんにピッタリだと思い、お声がけしました。ちょうどご本人も、子どもの純粋さが大切だと感じていた頃だったみたいで、企画をとても喜んでくださった思い出があります。ほかのキャストのみなさんも、純粋さや優しさ、可愛らしさなどを感じられる方を、全体のバランスを見ながらも直感的にキャスティングしていきました。

――衣裳や小道具などによって、杉野さんたちが妙に“それっぽく”見えるところも大きかったと思います。都会から離れた、公園やおばあちゃんの駄菓子屋などが通学路にあるような地域設定も絶妙でした。衣装のフィッティング、ロケなどでの秘話や何かエピソードなどはありますか。

演技はなるべく自然に、コントにならないようにするのが目標だったのですが、逆に衣裳や小道具はわかりやすいほうがいいかもと、記号的な方向で決めていきました。

ロケ地は、世界観を守るために、キャスト以外の映り込みがないように撮りたかったので、人が集まりにくいところに決めました。放送以降、公園、駄菓子屋など、聖地巡礼で訪れるファンの方が多いみたいで、とても嬉しいです!

――本作を制作するうえで、どういった視聴者層(ターゲット)を意識されましたか。

通常、ドラマを観るのは若い女性が多いのでそれはもちろん意識しつつも、バラエティ豊かな出演者陣のおかげで、視聴者層が幅広いです。嬉しいのは、親子三代で観ています、とか、直ちゃんたちと同世代の子どもたちからも応援しています、と言っていただけること。深夜ドラマではありますが、配信のおかげですね。

――シリーズ終了後には様々な反響があったかと思います。中でも印象に残っている声、あるいは意図していなかったような意外な反応などはありましたか。

いろんな俳優のみなさんに「出たい」と言われたことです。小学生役をみんな演りたいのか~と思いました。楽しそうに見えるからでしょうか? 実際、現場はとても楽しいです!

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2年後の物語は“大人の嘘”の反省から生まれた──「直ちゃんは小学五年生」プロデューサーが明かす

《上原礼子》

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