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「シスターズ」「アンナ」から「社内お見合い」まで…一気見にオススメ!2022年配信の韓国ドラマ

2022年の配信韓国ドラマから、年末年始に一気見したい作品を7本紹介。何の力も持たない女性たちが活躍するサスペンスや、アップデートされたラブコメ、世知辛い世の中を生き抜く者たちの姿が胸に沁みるドラマを中心にピックアップ

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一見ラブコメや復讐劇のようでも、時代感覚を敏感にとらえ、現実社会へのメッセージを盛り込みながらジャンルをまたいでいく韓国ドラマ。「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」「Pachinko パチンコ」「私たちのブルース」「その年、私たちは」などなど、国際的にも評価される見応えある作品が2022年も相次いだ。

その中から、年末年始に一気見したい作品を7本紹介。何の力も持たない女性たちが活躍するサスペンスや、アップデートされたラブコメ、世知辛い世の中を生き抜く者たちの姿が胸に沁みるドラマを中心にピックアップした。


「アンナ」ディレクターズカット版


地方の町で洋裁店を営む父と聴覚障がいのある母と暮らすイ・ユミは、6歳のとき、近所に住む駐留軍人の夫人に気に入られピアノやバレエ、英語を習う。高校3年生のとき、若い音楽教師との交際が問題となりソウルに転校。有名女子大学を目指すも受験に失敗したユミは、両親に「合格した」と連絡する。それは、彼女がついた“些細な嘘”の始まりだった――。

格差と学歴・学閥至上の社会で、やむなくついた嘘からまったく違う人生を送ることになるイ・ユミ、後にイ・アンナと名乗る女性を、「スタートアップ:夢の扉」『白頭山大噴火』などのペ・スジがポーカーフェイスを貫きながら演じ、新境地を開拓。イ・ビョンホン主演の映画『エターナル』で注目された女性監督イ・ジュヨンが、韓国で実際にあった経歴詐称事件をモチーフにした小説をドラマ化した。

幼少期に触れた夫人の教えや上流への憧れ、信頼していた大人(教師)の裏切り、“本物”のアンナことヒョンジュ(チョン・ウンチェ)との出会いを礎に、偽りを重ねていくユミ。聡明で思慮深いユミの本質を知る者は少なく、周囲は彼女を“花”のように扱い、見下す。配信元Coupang Playが当初、監督の意図に反した編集でドラマを配信した行為はまさに同じ価値観から生まれている。また、貧困からのし上がり、ソウル市長選を目指す夫ジフン(キム・ジュンハン)が浮き彫りにする物語は「シスターズ」にも通じる。

こうしたキャラクターへの理解や、撮影・音楽の素晴らしさはディレクターズカット版でこそ堪能できるというもの(イ・ジュヨン監督はこのディレクターズカット版で第58回大韓賞シリーズ映画監督賞を受賞)。タワーマンションの階段を上りながら虚構の人生に落ちていくユミの物語を、最後まで見届けたくなる。

Amazon Prime Videoにて配信中(全8話)


アンナ

(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

「シスターズ」


貧しいながらも身を寄せ合って生きてきた三姉妹、長女インジュ(キム・ゴウン)、次女インギョン(ナム・ジヒョン)、三女イネ(パク・ジフ)。ある日突然、大金を手に入れたインジュはその裏金を狙う市長候補と、現代韓国史の陰で暗躍してきた組織との争いに巻き込まれていく。

名作小説「若草物語」(Little Women)の姉妹が、もし、現代の韓国で暮らしていたら…という発想から生まれた物語。映画『パラサイト 半地下の家族』以降、ますます両極化する韓国の経済格差を背景に、富と権力を持つ者に一介の市民である三姉妹がどう立ち向かっていくのかを斬新なサスペンスとして描いた。女性たちの連帯と、家父長制への静かなる抗議も込められている。

Netflixにて配信中(全12話)


「二十五、二十一」


1998年の韓国、金融危機によりすべてを失ったペク・イジン(ナム・ジュヒョク)と、フェンシングに情熱を燃やすナ・ヒド(キム・テリ)。2人が初めて互いの名前を呼び合った22歳と18歳の出会いから、イジンの就職やヒドの高校卒業を経て、25歳と21歳まで過ごしたほろ苦くも幸せな初恋と友情を描く。

同時期に配信されたソン・イェジンとチョン・ミドの「39歳」や、パク・ミニョンとソン・ガンの「気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!」がもがく大人たちを描く中、フェンシングに打ち込む高校生役をはつらつと演じたキム・テリが印象的だった本作。抗えない時代のうねりの中で、互いにエールを贈り合う出来事が積み重なっていくヒドとイジンの初恋は瑞々しく、観る者を癒やした。

K-POPアイドル「宇宙少女」のボナが演じたヒドと同級生の金メダリスト、コ・ユリムとのライバル関係、チェ・ヒョヌクが演じたユリムを思う“7組のイケメン”ジウン、イ・ジュミョンが演じた自分の意志に正直な学級委員スンワンらのキャラクターも際立ち、熱烈なファンを生むことに。レトロな90年代後半の雰囲気や名曲揃いのOSTにも注目。

Netflixにて配信中(全16話)


「社内お見合い」


大手食品メーカーで食品開発チームの一員として働く平社員シン・ハリ(キム・セジョン)は、財閥令嬢の親友ヨンソの代わりにお見合いに出向き、生意気な女性を装うが、そのお見合い相手は彼女が勤務する会社のCEOカン・テム(アン・ヒョソプ)だった!

大ヒットウェブ小説とウェブトゥーンを原作にしたオフィスラブ・コメディ。王道をしっかり抑えつつも、女性の心情や欲望をストレートに描き、セクハラにも言及する所々のアップデートが心地よい。

有能で一生懸命、本来は飾らない性格のハリを演じたキム・セジョンのころころと変わる表情がキュートで、トラウマを抱えた実は完璧じゃないテムをクールに熱く演じたアン・ヒョソプとのケミストリーが話題に。また、ヨンソ(ソル・イナ)とテムの秘書ソンフン(キム・ミンギュ)のサブカップルも人気を集めた。

Netflixにて配信中(全12話)


「私の解放日誌」


ソウル郊外のサンポ市に暮らす、性格のまるで違う三兄妹。地下鉄で1時間以上もかけてソウルの会社に通う生活に疲弊している彼らの、満たされることのない、代わり映えのない日々からの“解放”を描く。

サンポ市は架空の地名だが、ソウルが卵の黄身だとしたらその周りの白身のような、地下鉄が地上に出てくるような場所。三兄妹は実家暮らしにも、仕事や人間関係、恋愛にも行き詰まっており、それが長引くコロナ禍で人々が抱えがちな閉塞感や疲労感と重なっていく。

「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」の脚本家が紡ぐ緩やかな物語で求心力となるのが、ソン・ソックが演じた飲んだくれの“ク”という名字の男。長男チャンヒ(イ・ミンギ)が自身の劣等感を覆うようによくしゃべるので、ク氏の沈黙が余計に際立った。本作でブレイクしたソン・ソックは、マ・ドンソクの映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』にも出演している。

誰にも尊重されず、愛されず、満たされずにいる次女ヨム・ミジョン(キム・ジウォン)から「私をあが(崇)めて」と頼まれるク氏。本国でも大ブームになった「あがめる」ことで、人は変われるのか、自尊心を取り戻せるのか、解放を果たせるのか。彼らが行き着く先を見守ってみてほしい。

Netflixにて配信中(全16話)


「サウンドトラック#1」


作詞家のイ・ウンス(ハン・ソヒ)と、写真家のハン・ソヌ(パク・ヒョンシク)は19年来の親友。ウンスは人気作曲家と組むチャンスを得るが、片思いに関する歌詞に「真実味がない」とダメ出しされてしまう。親友ソヌが誰かに片思いをしていると知ったウンスは、一つ屋根の下で共同生活しながら、彼に作詞を手伝ってもらうことに。

「片思いは、思いが溢れすぎると飲み込むしかない」と語るソヌ。彼が思っている相手が気になり始めるウンスは、時間と距離を経て初めてその思いに気づき、立場が逆転。“いつ、どうやって告白しよう”と、今度は彼女が悩み、片思いを歌詞に込めていく。

恋愛と友情の間を揺れる2人を演じるのは、「わかっていても」や「マイネーム:偽りと復讐」のハン・ソヒと「力の強い女ト・ボンスン」「花郎<ファラン>」のパク・ヒョンシクという魅力溢れるコンビ。2人が醸し出す切なくも優しい空気感を、美しい映像とK-POPが彩り、4話というコンパクトさもあって何度も見返したくなる。2人の貴重な制服姿も必見だ。

ディズニープラスにて配信中(全4話)


Disney+公式サイトはこちら

「ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え」


近未来、再統一を控えた朝鮮半島。韓国と北朝鮮は“共同経済区域”を設定し、そこに統一通貨の造幣局を置く。“教授”(ユ・ジテ)は各地から腕利きのハッカー、詐欺師、脱獄犯など犯罪のプロである男女8人をスカウトし、大胆不敵な強盗計画を企てる…。

スペイン発の世界的人気シリーズ「ペーパー・ハウス」を韓国でリメイク。造幣局に立てこもり4兆ウォン(約4200億円)を奪おうとする強盗団と、立ち向かう警察、そして捕らわれた人質たちの緊迫感溢れる攻防が描かれていく。

「BTS」のファン(ARMY)から実際に軍人(ARMY)となった北朝鮮の女性トーキョー(チョン・ジョンソ)、北朝鮮の強制収容所を脱走したベルリン(パク・ヘス)などのキャラクター設定や、南北合同の捜査本部、統一に絡む利権など、韓国版は実際の分断国家が舞台であることが大きな特徴。情に訴える人間ドラマも色濃い。

しかも、強盗団と捜査本部、人質たちを混乱に巻き込む造幣局長役は『パラサイト 半地下の家族』の“重要人物”(パク・ミョンフン)が演じている。原作を知っていても、観たことがなくても、双方が楽しめるだろう。

Netflixにて配信中(パート1:全6話/パート2:全6話)

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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