斜線堂有紀による同名小説(メディアワークス文庫/KADOKAWA 刊)を映画化した『恋に至る病』より場面写真が解禁された。
長尾謙杜と山田杏奈がW主演を務める本作は、不器用で一途な初恋と同級生の不審死、そして恋人への疑惑をめぐる、“この秋、最もピュアで刺激的なラブストーリー”。
この度解禁されたのは、山田杏奈演じる寄河景の清廉さと危うさの二面性を切り取った場面写真。
これまで、『ミスミソウ』『小さな恋のうた』『山女』などで着実にキャリアを重ね、『ゴールデンカムイ』『正体』にて第48回日本アカデミー賞優秀助演女優賞・新人俳優賞をW受賞するなど、巧みな“余白”に意味をもたせる演技が高く評価され、多くの観客を惹きつけてきた山田。卓越した演技力で知られる山田が本作で魅せる“殺人犯へと変わりゆく恋人”という二面性のある役柄は、まさに映画ファンが求める次なる挑戦と言えるだろう。
山田演じる景は、誰とでも明るく接する学校のヒロイン的存在で、転校してきた宮嶺(長尾謙杜)とは正反対の性格。だからこそ自身には無い魅力を感じ、興味を持ち、「どんな私でも守ってくれる?」という約束を交わして恋が始まる。

教室で宮嶺に対して優しい眼差しを向ける景のカットと、打って変わって印象ががらりと変わる陰りを帯びた横顔のカットからは、内面を簡単に明かさない景の純粋な恋心と疑念への余白がそのまま表情に現れ、ただ佇むだけで強い存在感を放っている。

教室から離れた場所でクラスメイトとふたりきりの空間でじっと手を見つめる景のカットは、淡々とした冷静さと、支配するような不穏な雰囲気が漂う。“景の本心は一体どこにあるのか?”と観客に思わせるようなミステリアスさが、この瞬間の視線に凝縮されている。

宮嶺を見据えるカットでは、景に対して疑念とわずかな恐怖を抱く宮嶺に対して「好きだからこそ信じてほしい」と言わんばかりの景の凛とした強さが眼差しから感じられ、瞳の奥に悲しみが見え隠れする表情から宮嶺への純粋な恋心も汲み取れる。
真っ直ぐな視線と、どこか触れるのが怖くなるような透明さを持つ景というキャラクターは、山田自身がこれまで積み上げてきた“静かな強さ”を軸にしながらも、これまで以上に複雑な感情が必要になる。
この演技が成り立つのは、観客に“考えさせる間”を与えられる俳優だからこそ。本作の監督の廣木隆一も「不安定さと強さを併せ持つ景という役を、自然に演じている。本当に今の映画界が求める役者さんだと思います」とコメント。本作での映画ファン待望の二面性のある役柄は、さらに進化した山田の演技と魅力が最大限に引き出されている。
本作で魅せる、山田杏奈の俳優としての新境地に注目したい。
『恋に至る病』は10月24日(金)より全国にて公開。



