染谷将太主演映画 『廃用身』に、北村有起哉、六平直政、瀧内公美らが出演することが明らかに。映像初出しとなる、戦慄の特報映像も到着した。
原作は、在宅訪問医・久坂部羊の同名小説デビュー作。主演の染谷は、医療の限界を超えたいと力強く訴え、理想を追い求めるあまり、合理性と狂気の危うい狭間へと踏み込んでいく医師・漆原糾を怪演する。
そして、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ取り、漆原に本の出版を持ちかける編集者・矢倉俊太郎を北村有起哉、両脚と左腕の麻痺に苦しめられ、漆原の画期的な治療で人生を取り戻した岩上武一を六平直政、漆原を支える妻の菊子を瀧内公美が演じる。
そのほか、廣末哲万、中村映里子、中井友望、吉岡睦雄らの出演も明らかに。
また映像では、不穏な音楽とともに、漆原の正義に満ちた穏やかな表情から幕を開ける。芝生の上で車椅子の老人たちが輪になり、楽しげに風船遊びをしている光景は、一見すると平和だが、「“身体のリストラ”をされた老人たちは、身も心も軽くなる・・?」というテロップが重なり、違和感が静かに忍び寄る。さらに、「もっと、早く切ったらよかったね」と、手足の欠けた老人のセリフが放たれ、一気に戦慄の色を帯びていく。
今回発表された追加キャストも登場し、疑念、諦観、不穏な納得。それぞれの表情が、物語の歪んだ均衡を際立たせていく。
なお音楽は、第48回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞し、『カラオケ行こ!』『金髪』などを手掛けてきた世武裕子が担当。不気味なピアノの旋律が、不穏さを醸し出し、善意と狂気の境界線を静かに侵食していく。
コメント
北村有起哉
私は最初にこの台本を読んだ時、気がつけば実際に起こったノンフィクションの話だと思い込んで読み進めてしまっていました。それくらい身の回りで起きてそうだと自然に想像をし、自身にあるいは自身の家族にそして、医学が発達している世界中の人々にもふりかかってくる永遠のテーマだと感じたからです。
ご覧になる方は今まで見逃していた新たな倫理観に揺さぶられると思います。そして問われると思います。このテーマに共感できるか、拒絶するか。
ぜひともたくさんの方に劇場で観ていただき、賛否が激しく分かれてほしいです。
六平直政
この映画に出演が決まってから、原作の小説を読んで今まで知らなかった、廃用身の世界をしって、人間の心と体のバランスの中身や医者と患者の関係性や自分の肉体と気持ちの戦い方や本人と家族の関係性の問題を自分なりに考えるようになりました。撮影を終えて、自らの身体を切って、心を開放していく老人たちの気持ちを考えるようになりました。この難しい社会の闇の問題を、映画をご覧になる皆様に是非考えて頂きたいと思います。私の演じた岩上老人の葛藤と家族との生き様を是非味わって頂きたいと思います。
瀧内公美
吉田監督が新作を撮られると聞き、これまで作品を追いかけ続けてきた身として、お声がけいただけたことをとても嬉しく思いました。
原作は、ルポルタージュかと思うような小説で、何度読み返しても「これは本当に小説(物語)なのだろうか」と戸惑い続けました。
どう演じることが正しいのか、どう在るべきなのか。現場に立ちながらも、答えを探し続ける日々でした。クランクアップ後も、あの日々が自分の人生と地続きのまま生きているような感覚があり、ふとした瞬間に思い出していました。
完成した作品を観たとき、ようやく「あれは作り物だったのだ」と受け止めることができ、昇華されていくような思いです。
『廃用身』は5月、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開予定。



