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激動の1980年代韓国をえぐる。もう一度観たい、歴史の闇と人々の真実に迫る名作映画(+ドラマ)

1980年代の韓国。それは「漢江の奇跡」と呼ばれる急激な経済成長の裏で、軍事独裁政権による弾圧と、それに抗う市民たちの民主化運動が激しく衝突した、まさに激動と痛みの時代であった。現在の華やかなK-POPやドラマからは想像もつかないほど、重く暗い歴史がそこにはある。

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激動の1980年代韓国をえぐる。もう一度観たい、歴史の闇と人々の真実に迫る名作映画(+ドラマ)
激動の1980年代韓国をえぐる。もう一度観たい、歴史の闇と人々の真実に迫る名作映画(+ドラマ)
  • 激動の1980年代韓国をえぐる。もう一度観たい、歴史の闇と人々の真実に迫る名作映画(+ドラマ)

1980年代の韓国。それは「漢江の奇跡」と呼ばれる急激な経済成長の裏で、軍事独裁政権による弾圧と、それに抗う市民たちの民主化運動が激しく衝突した、まさに激動と痛みの時代であった。現在の華やかなK-POPやドラマからは想像もつかないほど、重く暗い歴史がそこにはある。

しかし、韓国映画界はその闇から目を背けることなく、名もなき人々の勇気や社会の矛盾を極上のエンターテインメントへと昇華させてきた。今回は、そんな1980年代の韓国社会を深くえぐり、今なお語り継がれる傑作映画4本を紹介する。

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『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』(2017/Netflix ほか)

主演:ソン・ガンホ、ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル
1980年に起きた「光州(クァンジュ)事件」を、政治に無関心だった一人の小市民の視点から描いた実話ベースの物語。高額な運賃につられてドイツ人記者を乗せ、軍に封鎖された光州へと向かった平凡なタクシー運転手が、凄惨な真実を前に人道に目覚めていく。前半のコミカルな日常から一転する重厚な展開と、名優ソン・ガンホの圧倒的な演技は必見。「第38回青龍映画賞」で最優秀作品賞などに輝いた。

『弁護人』(2013/Prime Video ほか)

主演:ソン・ガンホ、イム・シワン、キム・ヨンエ
故ノ・ムヒョン元大統領の青年弁護士時代をモチーフにした社会派法廷ドラマ。実際のノ・ムヒョンも、かつては高卒から独学で司法試験に合格し、釜山で税務弁護士として大成功を収めていた。しかし、1981年に起きたこの「釜林(プリム)事件」を機に安定した生活を捨て、人権派弁護士へと転身してのちの民主化運動を牽引していくことに。本作は、そんな彼の人生の大きな転換点を生々しく描き出した。

金儲け第一だった主人公が、馴染みの定食屋の息子が国家保安法違反で不当逮捕・拷問されたことで事件の弁護を引き受ける。ここで不当な拷問を受け、心身共に徹底的に壊されていく青年を熱演したイム・シワンの凄まじい演技は、観る者の胸を激しく締め付ける。そんな青年の姿を前に国家権力の理不尽さへと立ち向かい、法廷で怒りを爆発させる主人公の鬼気迫る熱弁シーンは鳥肌もの。本作は「第50回百想芸術大賞」などで大賞を獲得した。

『1987、ある闘いの真実』(2017/Prime Video ほか)

1987年、警察の拷問による一人の男子大学生の死が、韓国の民主化を決定づけた「6月民主抗争」の引き金となるまでを描く。特定の主人公を置かず、警察の隠蔽に立ち向かう検事、記者、看守、そして学生たちの群像劇として構成されているのが特徴だ。立場の違う名もなき人々が、それぞれの正義のためにバトンを繋いでいく展開はスリリングで胸が熱くなる。

また、抗争の最中に催涙弾を撃ち込まれて血を流す男子学生を、別の学生が抱きかかえるという「歴史的瞬間」を捉えた有名な報道写真をリアルに再現したシーンもある。韓国の民主化運動の象徴となったその一枚の写真を、息を呑むほどの緊迫感とともに映像として蘇らせており、その徹底したリアリティと製作陣の執念に圧倒されるはずだ。さらに、最後のクライマックスとなるデモシーンには、演出を務めたチャン・ジュンファン監督の妻で女優のムン・ソリが特別出演および演技指導をしている点も見逃せない。彼女自身が実際に当時のデモに参加していた経験者であることから、「護憲撤廃!独裁打倒!」という叫ぶ群衆の熱気が、より一層リアルな重みを持って胸に迫ってくるのだ。

『殺人の追憶』(2003/U-NEXT ほか)

主演:ソン・ガンホ、キム・サンギョン
ポン・ジュノ監督の出世作であり、1986年から農村地帯で発生した「華城(ファソン)連続殺人事件」を追う刑事たちの執念と挫折を描いたサスペンス。当時のずさんな捜査態勢や、軍事政権下の暴力的で抑圧された社会の空気が見事に背景に敷かれている。本作を語る上で欠かせないのが、映画史に残るソン・ガンホのラストカットだ。彼がカメラ(観客)を真っ直ぐに見据えるこの場面には、「犯人は必ずこの映画を観るはずだ。その犯人の目を見つめ、問い詰めたい」というポン・ジュノ監督の強烈なメッセージが込められている。

現実世界では、映画公開から16年後の2019年にDNA鑑定からついに真犯人が特定された。驚くべきことに、別件で服役中だった彼は刑務所内で本作を鑑賞していたが、「ただの映画として観た。何の感情も湧かなかった」と証言している。この真犯人のサイコパス的な反応を知った上で鑑賞すると、翻弄されていく刑事たちの狂気とラストの眼差しが、より一層深い爪痕を観る者の心に残すはずだ。

【番外編】ドラマで触れる1980年代の光州

政治や事件の核心に迫る骨太な上記作品のほかに、歴史の渦に巻き込まれた「平凡な若者たちの日常と純愛」に焦点を当てた珠玉のドラマが、2021年に韓国で放送された『五月の青春』(U-NEXTで配信中)だ。

(写真=KBS2)

舞台は1980年春の光州。ソウル大医学部に首席で入学したエリート青年のヒテと、ドイツ留学を夢見ながら過酷な現実を生きる看護師のミョンヒが運命的に出会い、惹かれ合っていく姿を描いたヒューマンドラマである。本作は民主化運動の政治的背景を前面に出すのではなく、あの日、あの場所に確かに生きていた若者たちの眩しい青春と恋模様をレトロな世界観で綴っている。

イ・ドヒョンとコ・ミンシが演じる切なくも美しい純愛と、春の陽だまりのように温かい彼らの日常が丁寧に紡がれる一方、後半には歴史の転換点となった「光州事件」の足音が彼らのささやかな幸せに容赦なく迫りくる。その残酷な悲劇とのコントラストは涙なしでは見られない。2021年の「KBS演技大賞」では優秀男・女優賞やベストカップル賞を獲得するなど高く評価された。

(文=韓ドラLIFE編集部)

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《韓ドラLIFE》

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