『火の女神ジョンイ』(2013年)で、分院最高の沙器匠イ・ガンチョンを演じたチョン・グァンリョル。
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ガンチョンは名門陶工の家に生まれ、自らを朝鮮最高の沙器匠と信じて疑わない人物だ。ユ・ウルダムや、その娘ジョンの才能に激しい対抗心を燃やし、物語では大きな壁として立ちはだかった。テレビ局MBCの公式人物紹介でも、分院最高の沙器匠として君臨しながら、ウルダムとジョンによって劣等感と怒りを募らせていく人物として描かれている。
そんな難しい役柄を演じたチョン・グァンリョルは、『火の女神ジョンイ』出演時ですでに韓国を代表するベテラン俳優だった。
1980年に俳優活動を始め、何といっても代表作は『ホジュン~宮廷医官への道~』(1999年)。主人公ホ・ジュンを演じて国民的スターとなり、『朱蒙』(2006年)のクムワ王など、数々の時代劇でも強烈な存在感を残してきた。
『火の女神ジョンイ』以降もその勢いは続いた。
『リメンバー~記憶の彼方へ~』(2015年)、『テバク~運命の瞬間~』(2016年)、『オクニョ 運命の女(ひと)』(2016年)、『魔女の法廷』(2017年)などに出演。『火の女神ジョンイ』でも見せた重厚な演技力を武器に、権力者から悪役、主人公を導く人物まで幅広く演じていった。
特に『オクニョ 運命の女(ひと)』(2016年)では、主人公オクニョに武術と学問を教えるパク・テス役を担当。同じ時代劇でも、『火の女神ジョンイ』のガンチョンとは対照的な“師匠”として作品を支えた。
2020年には『風と雲と雨』(2020年)で興宣君イ・ハウンを演じ、60代になっても時代劇俳優としての存在感は健在だった。さらに『ジンクスの恋人』(2022年)では財閥会長ソン・サムジュンに扮し、若い主演俳優たちの中でも重厚感を放った。
その後はドラマ出演のペースを少し落とす一方で、活動の場を広げている。

2023年には『メディカルドキュ 名医宝鑑』など教養・ドキュメンタリー番組にも参加。インタビューでは、バラエティや教養番組、ドキュメンタリー、OTT作品などさまざまな企画を準備していると明かしていた。
2024年には全羅南道・莞島郡の広報大使にも就任。代表作『ホジュン』が持つ健康や治癒のイメージが、莞島の海洋治癒事業と合致したことが起用理由とされた。
さらに2025年には、新しい顔も見せた。
ソウル・漢南洞に「MODA Gallery」を開設し、自ら館長に就任。俳優として長年培ってきた芸術への関心を生かし、現代美術を紹介する文化空間の運営にも乗り出した。
『火の女神ジョンイ』(2013年)から13年。
イ・ガンチョンという強烈な沙器匠を演じたチョン・グァンリョルは今、俳優だけにとどまらず、ドキュメンタリーや文化活動、美術の世界へも活動領域を広げている。
長年第一線を走ってきた名優は、60代半ばを迎えてなお、一つの場所にとどまることなく新しい表現の場を探し続けている。
文=森下 薫
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