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2005年10月の最新ニュース コラム記事一覧

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『ブラザーズ・グリム』レビュー

“グリム童話の隠された誕生秘話”を描いた本作。ただのフェアリーテイルに終わらないことは重々承知でしたが、正直、「こんな世界は見たくなかった…」というところもありました。リアルに登場するおとぎ話のキャラクターたちはかなり強烈。リンゴを持った怪しいお婆さん、少女たちに襲い掛かるジンジャーブレッド・マン、病に侵されていく美しい女王…。これはもうファンタジーというより、ホラーに近いものがあります。でも考えてみれば、小さい頃親しんでいた童話にはもともと、魔女や怪物など、ダークなキャラクターがたくさんいました。それらを素直に聞いていたことを考えると、その方が怖いかも。それにしても、衣装やセットのディテールには脱帽。モニカ・ベルッチの不気味なほどの美貌も必見ですよ。

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『ブラザーズ・グリム』レビュー

ディズニーランドで「スモールワールド」に乗ると、ファンタジーの世界に身も心も飛んでいきます。もちろん、機械が動かしている人形だってことは十分承知しているし、長年動いている人形たちの汚れだって気になってしまうのだけど、なぜか心はファンタジーの世界。『ブラザーズ・グリム』のタイトルから勝手に想像したのは、ファンタジーの世界へ身も心もまっしぐらなトリップ映画…と思いきや、そこはテリー・ギリアム。彼が創り上げたグリムの世界には、おなじみの「赤ずきん」「シンデレラ」が登場し、ファンタジー要素満載。その一方で、動く木がいる森は怖いし、どこから襲ってくるか予想できない狼男も怖い。『ディープ・ブルー』を観て「地上で生きててよかった」と思い、『ソウ』を観て「生きていることを毎日感謝しよう」と思った私。今回は「1人で森に入らないようにしよう」とひそかに決心したのでした。

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『ブラザーズ・グリム』レビュー

『未来世紀ブラジル』でやみつきになってしまったテリー・ギリアム監督の世界。あのテーマソングは今でもトラウマです。そのギリアム監督が前作『ロスト・イン・ラ・マンチャ』の悲劇から7年ぶりに世に放つ待望の新作ということで、予告篇で初めて高い塔の窓から長い髪をおろす「ラプンツェル」の画を観たときは心が躍りました。アクション派のイメージが強かったヒース・レジャーが神経質でナイーブな弟役にはまっていて、そのギャップがまた乙女心をくすぐります。インテリ風な細いフレームの丸眼鏡も、文化系メガネ男子好きな女子にはたまりません。もちろんギリアム監督ならではのジョークも随所に散りばめられています。現実とファンタジーが境目なく混じりあうギリアム・ワールドにしばし迷い込んでみてください!

芸術の秋。映像のアートに浸る vol.4 『コープス・ブライド』のアートなドレス 画像

芸術の秋。映像のアートに浸る vol.4 『コープス・ブライド』のアートなドレス

JUNE BRIDE(6月の花嫁)は幸せになると言われていますが、実は秋も結婚式には人気の季節のようですね。お天気が安定しているせいでしょうか。秋晴れはすがすがしくて気持ちがよく、五月晴れに勝るとも劣らず。澄み切った空のもとで人生の門出が祝えたら、幸先がいいというものです。

芸術の秋。映像のアートに浸る vol.3 キム・ベイシンガーは、かなりのツワモノ? 画像

芸術の秋。映像のアートに浸る vol.3 キム・ベイシンガーは、かなりのツワモノ?

ジョン・アーヴィングの小説を映画化した『ドア・イン・ザ・フロア』に登場するキム・ベイシンガーは、ほんとうに美しい。1953年生まれだから、今年で52歳。若者を一目で魅了してしまう大人の女の役柄を、ごく自然に演じています。キム・ベイシンガーといえば、かつてはお色気路線まっしぐらで、あまり女性ウケするタイプではなかったはず。何しろ、16歳にしてジュニア・ミス・コンで堂々優勝。モデルから女優に転向し、美貌を武器にヒロイン役を次々こなしていたのですから。それでも、サスペンス、コメディ、官能映画(って『ナインハーフ』のことです)など、いろいろなジャンルに挑戦していたあたりが、ただ者ではなかったけれど。

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『そして、ひと粒のひかり』レビュー

久しぶりに邦題がグッときた映画です。個人的には、田舎に生まれた者としての17歳の心のもがきや、抜け出したいけれど方法を探る術も分からないモヤモヤに深く共感。主人公のマリアは、麻薬の粒を飲み込んで密輸すること、平たく言えば“悪いこと”によって新しい扉を開くのだけれど、大切なのは「何をしたか」ではなく、それによって何を吸収し、どう考え、“そして”次に何をするか。彼女が立ち向かった壁は、危険度では比べものにならないけれど、きっと誰もが一度はぶち当たる壁。そしてそれを乗り越えたときに見える“ひと粒のひかり”。決してバンザイして喜べるものではないけれど、希望に満ち満ちたエンディングで思わず涙がこぼれてしまいました。───『そして、ひと粒のひかり』。観た後も深く味わえるタイトルを名づけた配給さんにも思わず拍手です。パチパチ。

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『そして、ひと粒のひかり』レビュー

ドラッグとは無縁に生きている平凡な私たちには、“運び屋”というマリアの選択はあまりにも衝撃的に思えるかもしれませんが、世界は違えど誰にでも自分の人生に迷いを感じる時期や、分かれ道があったはず。もちろん“運び屋”の仕事の危険性は明らかで、思わず目をそむけたくなる場面には「ほかに道はなかったのか…」と願いたくもなりますが、マリアにとってこれはより明るい未来への賭けであり、絶望ではなく、救いだったと思う。混乱し、悲しみ、必死な状況に追い込まれ、それでも彼女は手探りで幸せをたどる。17歳の明るい青春映画からは程遠いですが、そこには確かに希望のひかりがあり、ラストは不思議とさわやかな気持ちで拍手を贈りたくなりました。

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『そして、ひと粒のひかり』レビュー

主人公マリアは、今いる自分の場所から逃げ出したくて家族も恋人も仕事も何もかも捨ててコロンビアの田舎町からニューヨークへ……と言うと、サクセス・ストーリー風に聞こえるけれど、彼女が選んだ仕事はなんと麻薬を胃の中に飲み込んで密輸する“ミュール(運び屋)”。死と隣り合わせの恐怖、犯罪に手を染める罪悪感……17歳の少女のとった決断にハラハラドキドキしながらも、生きて行くって大変なことなんだなぁ?としみじみ。ミュールという仕事は決して許されるものではないけれど、悩みや不満を持っていても「ま、仕方ないか…」と、つい妥協してしまっている自分がちょっと情けなく感じてしまったり。重いテーマでありながらも希望に溢れたラストは清々しいし、何よりもマリアを演じたカタリーナ・サンディノ・モレノの飾らない美しさが新鮮!

芸術の秋。映像のアートに浸る vol.2 文学の映像化は数々あれど…『春の雪』 画像

芸術の秋。映像のアートに浸る vol.2 文学の映像化は数々あれど…『春の雪』

文学の映像化作品は数々あれど、観終わった後、こんなに原作を読みたくなった映画は、今までにありませんでした。「こんな話だったっけ」と思ってしまった『春の雪』。もちろん、物語の筋は確かに“そのもの”なのですが、何かが違う。その何かを言葉で表現するとしたら“世界観”とでも言いましょうか。

芸術の秋。映像のアートに浸る vol.1 犬と一緒に「The True Store and Gallery」へ 画像

芸術の秋。映像のアートに浸る vol.1 犬と一緒に「The True Store and Gallery」へ

この間まで、猛暑が続いていたのがうそのよう。今はもう、東京もすっかり秋の気配が漂っています。涼しくなり、過ごしやすくなってくると、食欲とともに旺盛になるのが知的好奇心。この時期には、映画もアーティスティックな視点で選んでみるのはいかがでしょう。今月は、「映像のアート」をさまざまなスタイルで楽しめる作品が沢山公開されることですし。

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