『かもめ食堂』ではフィンランド。前作『めがね』では南の島。そして最新作『トイレット』ではは北米。荻上直子が作り出す物語の舞台は、我々にとって非日常ともいうべき場所だが、不思議なことに描かれるのは、ごくごく当たり前の人間の日常の営みである。その日常の営みにおいて欠かすことができない食事に関して、荻上監督を一手に支えるのがフードスタイリストの飯島奈美。『かもめ食堂』以来、数々の食事シーンで苦労を、そして楽しみを共にしてきた2人が、初めて揃っての取材に応じてくれた。
人生の中で転機は何度か訪れるものだが、俳優・溝端淳平にとって、主演映画『君が踊る、夏』がひとつの転機になったことは間違いないだろう。若手の注目イケメン俳優であることは以前と何ら変わりはないが、演じること感じることの喜び、そして周りに生かされているという気づきを得た彼は、役者として確実に一歩前進した。しかも大きな一歩だ。
ハロルド作石の同名コミックを基に、音楽という絆で結ばれた若者たちの友情と成長を描く青春ストーリー『BECK』。いまをときめく豪華若手俳優たちが結集する中、水嶋ヒロが演じたのはニューヨーク帰りの天才ギタリスト、竜介だ。佐藤健扮する平凡な男子高校生・コユキに音楽の魅力を示し、バンドの世界へと導いていく竜介は、水嶋さんにとって「自分自身の体験を引っ張り出してきて演じることもあった役」だという。
昔から映画が大好きで、妻でタレントの向井亜紀と一緒によく映画館に行くという高田延彦。ストーリーやキャラクターがしっかりしている映画を好んで観るそうだが、元総合格闘家、現在は高田道場の代表である彼が「観たい!」と思うのはやはりアクション系。最近は『タイタンの戦い』に心奪われ、DVDリリースの宣伝を買って出た。“最強の男”としてその名をリングに刻んできた高田延彦に、スペクタクル映画の原点と言えるアクション・アドベンチャー『タイタンの戦い』について語ってもらった。
母はまさに“太陽”のような陽子で、娘は静かな、しかし凛とした強さを持つ月子。演じるのは本作で初共演、共に日本映画を代表する女優・大竹しのぶと宮崎あおい。突如、ひと回り以上も年下の男との婚約を宣言した陽子とそんな母の身勝手な決断に戸惑い、反発する月子。正反対なようでそっくりなこの母子と、母の婚約者と大家と医者と犬が、古きよき香りを残す西のとある町で騒がしく、温かく、少し切ないドラマを織りなす。『オカンの嫁入り』の監督を務めたのはデビュー作『酒井家のしあわせ』が各方面で激賞された呉美保。どのように練り上げ、どのように動かし、どのようにこの珠玉の“家族”を紡ぎ出していったのか? 公開前に話を聞いた。