フィンランドのヘルシンキに住む、家族も友人も愛する人もいない、ひとりぼっちの男・コイスティネン。そんな孤独な男を、あるマフィアの男が自分の情婦・ミリヤを使って誘惑させ、ショッピングセンターの宝石を強奪して彼に罪を擦りつける。美しくも毒のあるミリヤと出会って初めて恋を知るコイスティネンだったが、猛毒のような災難が彼に降りかかる――。『浮き雲』、『過去のない男』に続いて、人間の誠実さや人間性の回復を描いた、アキ・カウリスマキ監督“敗者三部作”の完結篇。
アキ・カウリスマキ
先日、アキ・カウリスマキ監督の新作『街のあかり』を観てきました。『浮き雲』、『過去のない男』に続く“敗者三部作”の最終章と、監督自身が言うように、今回も、孤独を抱えたダメ男(世間から見れば…)が主人公。相変わらず淡々としていて、派手な演出など一切なし。でも、心にじんわりと染みてきて、なんだか希望が湧いてくる、そんな独特の世界を楽しんできました。