パリ5区にある世界最大級の博物館、フランス国立自然史博物館。そこには、梯子の上でキリンの頭を絵筆でなでている者もいれば、白衣姿で鼻歌交じりにアナグマのお腹を縫い合わせている者、動物のミニチュアを前に深刻な表情で佇む大人たちがいる。25年もの間、閉鎖されていた大ギャラリーが、リニューアル・オープンするのだ。フランスの子供たちと世界中の好奇心ある大人たちを惹きつけてやまない、フランス国立自然史博物館の裏側とはく製たちの復活を描く。
ニコラ・フィリベール
被写体に寄り添ってその内面をじっくりと映し出す、現代最高のドキュメンタリー作家の一人、ニコラ・フィリベール。銀座テアトルシネマでは、“ニコラ・フィリベールのまなざし〜正しき距離”と称して同監督の過去の作品の数々を上映中。さらに、2月2日(土)からは日本初公開となる1994年の『動物、動物たち』が、2月9日(土)からは最新作『かつて、ノルマンディーで』(写真右下)が公開される。『かつて、ノルマンディーで』は、30年以上前にフィリベール監督自身が助監督として参加した『私 ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した』の出演者たちの足跡を追う、いわば監督自身の映画の原点をたどる作品。本作について監督に話を聞いた。