“人はお金では買えない”と言いつつも、現実では人間の傲慢さと欲望のにより、幼児売買や臓器密売など、罪のない幼い子供たちが安易に金銭取引されている。そんな中、タイ在住の新聞記者・南部(江口洋介)は、NGO職員・音羽(宮崎あおい)とフリーカメラマン・与田(妻夫木聡)の協力を得て、この現実を取材することに…。だが、横行するタイの“闇”。そして、事実を暴き、傷つけられている“闇の子供たち”を救おうとすればするほど、残酷な現実が彼らの前に立ちはだかるのだった――。主題歌を桑田佳祐が担当。梁石日の同名長編小説の映画化作品。
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『血と骨』や『月はどっちに出ている』などの話題作の原作者である梁石日による、タイにおける子供たちの人身売買を題材にした同名小説を映画化した『闇の子供たち』。本作が8月2日(土)に公開を迎え、主演の江口洋介に宮崎あおい、佐藤浩市、そして阪本順治監督が舞台挨拶に登壇した。
親の借金のカタとして売買される子供たち。大人たちの歪んだ欲望のはけ口とされ、中には違法な臓器提供の犠牲となる者も。そして、何より子供たちを売買する大人がいるという現実——。タイにおける子供たちの人身売買をテーマにした『闇の子供たち』。我々日本人にとっても決して他人事ではない“闇”に切り込んだ阪本順治監督に話を聞いた。
タイで現実に行われている、罪のない子供たちを“商売道具”として扱う人身売買や臓器密造に迫った『闇の子供たち』。5月16日(金)に本作の試写会が行われ、上映後のティーチインに主演の江口洋介、阪本順治監督が登場した。
児童売買に、臓器密売…。人間の傲慢さと欲望によって引き起こされる“闇”を暴く、梁石日の同名長編小説を映画化した『闇の子供たち』。『顔』、『亡国のイージス』など、人間の内面を克明に描き、高い評価を受けてきた阪本順治の指揮の下、酷暑のタイで撮影が敢行された本作が完成。今夏の公開に先駆けて、3月21日(金)、完成披露試写会が開催され、多くの著名人やマスコミ関係者で満員となった客席を前に、阪本監督による舞台挨拶が行われた。
『亡国のイージス』や『顔』、『KT』など、鋭い切り口で数々の社会問題を取り上げてきた阪本順治監督。北野武主演の『血と骨』では原作者として数々の著名人から賞賛を浴び、直木賞へ候補入りした梁石日の同名長編小説を映画化した『闇の子供たち』が、夏公開に向けて、ついに完成した。