大震災の後、茨木県日立市のプレス工場で働く女性・栞。平凡な日常だが、同僚であり夫である研次と幸福な日々を送っていた。しかし、ある日、作業中の事故で最愛の夫を亡くしてしまう。事故を引き起こしたのは、新入社員の工。平和な日々を奪われ、心から工を憎む栞と、赦しを乞い続ける工。決して交わるはずのない境遇に置かれた2人だったが、次第にお互いを理解する気持ちが芽生えていく…。そして季節はうつろい、桜の花が満開となる春。さまざまな葛藤をかかえ、理不尽な運命に翻弄された迷える男女の淡い恋は、一体どんな結末を迎えるのか…
船橋淳