非西欧圏で初めてノーベル文学賞を受賞したラビンドラナート・タゴール。イギリス植民地時代のインドを生きたこの大詩人は、詩だけでなく歌も作っており、その数は2千曲以上にものぼる。「タゴール・ソング」と総称されるその歌々はベンガルの自然、祈り、愛、喜び、悲しみなどを主題とし、ベンガル人の単調であった生活を彩った。そしてタゴール・ソングは100年以上の時を超えた今もなお、ベンガルの人々に深く愛されている。なぜベンガル人はタゴールの歌にこれほど心を惹かれるのか。歌が生きるインド、バングラデシュの地を旅しながらその魅力を掘り起こすドキュメンタリー。
佐々木美佳