1945年8月9日11時2分、広島に次ぐ二発目の原子力爆弾が長崎市に投下され、人口24万人のうち約7万4千人が一瞬にして命を奪われた。東洋一の大聖堂とうたわれた浦上天主堂も被爆し、外壁の一部を残して崩壊。それから12年の時が過ぎて──、浦上天主堂跡から被爆したマリア像を盗み出す一味の姿があった。首謀者はカトリック信徒のふたりの女。彼女たちは、なぜマリア像を盗み出さねばならないのか…。
松村克弥