健三郎は、妻・明子を失うまで、しばらく一人息子のトシとは疎遠になっていた。明子の葬式で久し振りに、トシとその妻さつき、孫のエミに会う。喪主であるはずの健三郎は、酒に酔い、だらしない態度をとる。トシは、そんな父親に苛立ちつつも、気にかける。そして、明子の遺言状が開封され、そこには、明子が子どもの頃に好きだった『ピーターラビット』発祥地であり夫婦で行きたいと思っていた、イギリスのウィンダミア湖に散骨して欲しいという内容だった。健三郎とトシ一家は、明子の願いを叶えるため、イギリス北部の湖水地方へ旅立つ。イギリスに来ても、何かに悩みながら大人げない態度をとり続ける健三郎にトシは、苛立つ。心を開き、向き合えない健三郎とトシは、旅の途中のロンドンで言い争いとなり、健三郎は何も言わずに一人で湖に向かってしまう。道に迷い、疲れ果て、途方に暮れていると、ある農場に住むジョンとその娘メアリーに出会う。優しい2人の世話になり、しだいに心がやすらいでいった健三郎は、意を決し、トシに連絡をする。そして迎えに来たトシに打ち明けたずっと言えなかった秘密とは…。
cocoレビューを見るパトリック・ディキンソン