母親と2人暮らしの高校生、健太。言葉が少なく笑顔も少ない健太は、人見知りながら思慮深く他人の痛みを、自分のことのように感じる少年。かつてはおおらかで笑顔の絶えない女性だった母・沙織は、娘・萌子の死をきっかけに笑顔を失い、健太との会話もほとんどない日々を送っていた。「母親を笑顔にしたい」と願いながら、心の防衛本能から萌子の死の記憶を封印してしまった健太は、沙織が笑顔を失った理由も忘れ、離婚した父親・哲男の記憶も失っていた。 ある日、親友に半ば強引に連れていかれた写真展で、健太はこどもホスピス「ひまわり」で過ごす家族の“笑顔”に強い関心を持つ。死と隣り合わせの難病と闘う子どもたちと、彼らに寄り添う家族たちの「笑顔の理由」を知りたいと、ボランティア部の一員に。そこには拡張性心筋症の妹に寄り添うあまり、今ある“生”より“死”の恐怖にとらわれがちな美帆もいた。「ひまわり」を訪ねたボランティア部員たちは、限られた時間を生きる子どもたちやその家族と触れ合い、「今を生きる強さ」や家族の深い愛情を知ることになる。
とめぞう