2001年、アーンドラ・プラデーシュ州内陸部のチットゥールの刑務所から、一人の男が出所する。男の名はレニン。彼は、25年前の1976年に身寄りのない孤児だった自分を引き取って育ててくれた、名家の女当主ジャヤンティのいるシュリーラーマプラム村に戻る。静かな決意を秘めた彼は、これから何をしようとするのか—。 時は遡り1989年。青年となったレニンは、シュリーラーマプラムの村を挙げて行われる18日間の例大祭「バーラタム・ミッタ」の開始の儀礼を任されるまでになり、村人たちから深い信頼を集めていた。その祭りの期間中、彼は都会から帰省していた若い娘バーラティと巡り合い、二人は強く惹かれ合い恋に落ちる。 しかし、平和に見えた村の裏側では、地位、権力、名誉、そして復讐をめぐるさまざまな思惑や秘められた欲望が不気味に渦巻いていた。村には古くから「祭りの期間中、血の一滴たりとも流されることがあってはならない」という絶対の決まりが存在していたが、身内からの冷酷な裏切りと仕組まれた罠によってその慣習は脆くも揺らぎ始める。 愛する者を奪われ、無実の罪を着せられたレニン。禁忌が破られ、流血の惨劇へとなだれ込んでいく村で、男は手にした武器を握り締め、叙事詩の大戦のごとき狂気の復讐劇へと身を投じていく。
ムラリ・キショール・アッブール