料理の腕は超一流ながら他人とのコミュニケーションが上手く図れないシェフのグレゴア(ヨーゼフ・オステンドルフ)。そんな彼が平凡な主婦・エデン(シャルロット・ロシュ)に恋をした。口下手な彼に出来るのはおいしい料理を作って彼女を満足させることだけ。彼の恋心は店の看板メニュー、“官能料理”ことエロチック・キュイジーヌにも影響。その味わいにますます磨きがかかり、食べる者みなを魅了するのだが…。
なんだか急にしのぎやすくなり、秋の気配を感じるようになりましたね。夏バテ気味で、食欲が落ちていた人も、やっとモリモリいきたい気分になってきたのでは? そこで、9月のコラムは「秋に楽しむ美味しい人生」というテーマで、人生と食の美味しい関係について取り上げたいと思います。
食べるという行為はある意味エロティックでもあり、食欲と性欲も関わりが深いもの。そのせいか、『赤い薔薇ソースの伝説』や『タッチ・オブ・スパイス』、『マーサの幸せレシピ』など、恋と人生と料理を題材にした映画が過去にも多く作られてきた。『厨房で逢いましょう』は、料理の腕は超一流だが、自分の感情を相手に伝えるのが苦手な天才シェフの物語。主人公のシェフ、グレゴアは嫉妬深い夫と幼い娘のいる主婦・エデンに恋心を抱き、彼女を自分の料理で満足させることに幸せを覚え始める。
料理の腕は超一流ながら人付き合いの下手なコックが、平凡な主婦に恋をした。彼にできるのはおいしい料理を作って彼女を喜ばせることだけ。彼女を想う気持ちが料理に乗り移ったのか、彼の料理を口にした者はそのおいしさに魅了されてゆくのだが…。2006年ロッテルダム映画祭の観客賞をはじめ各国で絶賛を呼んだ料理映画『厨房で逢いましょう』。本作の監督を務めたミヒャエル・ホーフマンと劇中の料理を手がけた料理人、フランク・エーラーが来日。7月19日(木)に開かれた記者会見で、映画の中の料理の魅力についてたっぷりと語ってくれた。